最新記事

航空機

ANA、ボーイング787エンジン点検で国内線330便追加欠航 8月は予約制限も

2018年7月12日(木)17時26分

7月12日、ANAホールディングス傘下の全日本空輸(ANA)は、ボーイング787型機に搭載しているエンジンの点検に伴い23─31日に国内線330便を追加で欠航すると発表した。写真は羽田空港で1月に撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

ANAホールディング傘下の全日本空輸(ANA)は12日、ボーイング787型機に搭載しているエンジンの点検に伴い23─31日に国内線330便を追加で欠航すると発表した。約5万8000人の旅客が影響を受ける。規模は縮小するが、欠航は8月も続く見込みで、盆休みの同月9日―19日は一部の路線で予約も制限する。

7月23―31日に欠航となるのは、羽田空港発着の伊丹、関西、札幌、福岡、広島、岡山など計13路線。他の航空会社や新幹線など他の交通機関を含む代替手段が確保しやすい便を中心としている。787型機を使う貨物便も羽田ー佐賀線の計12便が24―28日、31日の計6日間欠航する。

ANAは今月4日、エンジン点検により6―12日に国内線113便を欠航すると発表。9日にも13日―22日に国内線176便を追加欠航すると公表した。7月中の欠航便数は計619便となり、6日から31日までの全便数の約3%を占める。影響旅客数は計11万5000人で、同社の昨年7月の旅客数1日分(1日当たり約10万人)強に相当する。

点検するのは、787型機に搭載している英ロールスロイス製のトレント1000型エンジン。今年4月、不具合が起きる恐れがあるとして欧米の航空当局がロールスロイスに対して改善を指示。日本当局も指示を出し、ANAは点検を進めている。

新しい機材の稼働開始日の前倒しや不急の機材改修作業の日程先送りなど、ありとあらゆる対応策を講じてきているが、機材繰りがうまくできず、今なお欠航を続けざるを得ない状況にあるという。

8月も羽田発着路線を中心に一部の便を欠航とする見通し。夏休みシーズンで旅客も増えて影響が大きくなるため、盆休みで繁忙期となる同月9―19日については羽田ー伊丹など一部の路線の予約受付を制限する。

ただ、欠航便数は、7月中の1日当たり15―40便程度に比べ、8月は同10―20便程度まで少なくできる見込み。欠航便の数や詳細については今月17日にあらためて公表する予定。

(白木真紀)

[東京 12日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍、台湾周辺で実弾射撃訓練開始 演習2日目

ワールド

キーウ郊外で停電続く、ロシア空爆後 住民は避難所で

ワールド

香港、民間住宅用地供給が増加見通し 市場の回復基調

ワールド

ゼレンスキー氏「プーチン氏を信頼せず」、勝利に米の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中