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歴史への責任

「戦争の記憶」のその先にある未来への責任(コロンビア大学特別講義)

2018年3月27日(火)17時38分
小暮聡子(ニューヨーク支局)

――最後に学生たちに講義から学んだことは何かと聞いていた。全4回を終えた今、あなた自身が学んだことは何だろうか。

学生たちは何を学んだのかについてとてもいい意見を言ってくれたが、全4回の対話を通じて繰り返し出てきた言葉といえば、知識、視点、尊重、そして責任だ。これらは、第二次世界大戦の記憶をより正確に、より深く、より複雑なものとして理解するために優れた道しるべになると思う。

私たちは、自国とほかの国々で何が起きたのかを知り、国内と国外の両方で異なる視点を理解し、尊重すべきは尊重し、悪いことは悪いと認めるべきだろう。そして私たちには、責任がある──過去に誠意をもって対処するだけでなく、より良い将来に向けて努力するという責任だ。なぜなら結局のところ、過去は過去であり、私たちがつくり出せるのは未来だけなのだ。


 ニューズウィーク日本版2017年12月12日号
「コロンビア大学特別講義 第1回 戦争の物語」
 CCCメディアハウス


 ニューズウィーク日本版2018年3月20日号
「コロンビア大学特別講義 第2回 戦争の記憶」
 CCCメディアハウス


 ニューズウィーク日本版2018年3月27日号
「コロンビア大学特別講義 第3回 『慰安婦』の記憶」
 CCCメディアハウス


 ニューズウィーク日本版2018年4月3日号
「コロンビア大学特別講義 第4回 歴史への責任」
 CCCメディアハウス
 ※本記事はこの特集号からの転載です。

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