最新記事

日本政治

衆院選が公示 最大の争点は安倍政権の継続の是非

2017年10月10日(火)19時21分

第48回衆院選は10日公示され、22日投開票に向けた12日間の選挙戦が始まった。各党の党首、都内で8日撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

第48回衆院選は10日公示され、22日投開票に向けた12日間の選挙戦が始まった。定数削減により戦後最少の465議席を与野党で争う。

安倍晋三首相(自民党総裁)は、自民、公明で過半数の233議席を確保すれば、政権を維持する方針を示し、事実上、安倍政権の継続の是非が最大の争点になる。

衆院選は経済政策「アベノミクス」を争点に掲げ、与党が圧勝した2014年12月以来。

連立与党の自民党、公明党に対し、東京と大阪で候補者調整した希望の党と日本維新の会、日本共産党、立憲民主党、社民党の3極が対立する構図となった。

共同通信によると、立候補者数は自民332人、希望235人、公明53人、共産243人、立憲民主78人、維新52人、社民21人、日本のこころ2人、諸派91人、無所属73人。

安倍首相は9月25日の解散表明会見で、急速に進む少子高齢化や緊迫する北朝鮮情勢について、いずれも「国難」と指摘し、衆院を解散した。

2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げで得られる税収は、教育無償化などの社会保障費に充てる選択肢も示し、看板政策である「人づくり革命」の推進を訴えた。

これに対し、希望の党や日本維新の会は消費増税の凍結を主張。他の野党も「直ちに消費税率10%にはできない」(立憲民主)、「増税は中止」(共産)、「反対」(社民)と訴え、消費税10%への引き上げも大きな争点の1つに浮上した。

与党の解散前勢力は322議席(9月26日時点で自民287、公明35)で、安倍首相が設定した勝敗ラインは、解散前を89議席下回る水準。

今後の政権運営を占ううえで、与党が過半数を維持したとしても、安定多数(244議席)や絶対安定多数(261議席)などを確保できるのかどうかも大きなポイントになる。

(衆院選取材チーム 編集:田巻一彦)

[東京 10日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

鉄鋼関税、2倍の50%に引き上げへ トランプ米大統

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中