最新記事

イスラエル

【写真特集】明るい防空壕が物語るイスラエルの危険な日常

2017年9月26日(火)17時20分
Photographs by ADAM REYNOLDS

音楽演奏などを楽しむ文化センターとして使われているものも

<日常に溶け込む防空シェルター――ここでの生活がいかに危険と隣り合わせであるかが伝わってくる>

イスラエルには100万を超す防空シェルターが存在する。建国以来、自国を敵視する国々に囲まれた土地で、何度もミサイルやロケット弾による攻撃を受け、市民が犠牲になってきた教訓の結果だ。

現在は「市民防衛法」で地方公共団体にシェルター設置が義務付けられているほか、民間の家屋や事業所もシェルターを備えなければならない。これにより核や生物・化学兵器などによる攻撃を受けても、全ての国民がすぐに避難することができるようになった。

写真家のアダム・レイノルズはそれらシェルターを撮影し、写真集『存続の危機に関わる建築物』にまとめた。そこには、一般にイメージされる物々しい「避難場所」とは大きく異なる姿が映っている。

多くはくつろぐための家具や設備、装飾を備え、普段は音楽スタジオやフィットネスジムなどとして使用されている。生活に密着した形でスペースを有効活用するためだ。

イスラエルの日常に溶け込むシェルター。そこが避難場所としての緊張感がなく、明るい雰囲気を持つ空間であればあるほど、この国の人々の生活がいかに危険と隣り合わせであるかが伝わってくる。


ppshelter01.jpg

集合住宅内に設置されているシェルター


ppshelter03.jpg

普段は地域のコミュニティーセンターとして使われているシェルター


ppshelter04.jpg

非常時にはシェルターになるよう頑丈に造られた会議室

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、ガリウムやゲルマニウムの対米輸出禁止措置を停

ワールド

米主要空港で数千便が遅延、欠航増加 政府閉鎖の影響

ビジネス

中国10月PPI下落縮小、CPI上昇に転換 デフレ

ワールド

南アG20サミット、「米政府関係者出席せず」 トラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった...「ジャンクフードは食べてもよい」
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「豊尻」施術を無資格で行っていた「お尻レディ」に1…
  • 10
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 10
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中