最新記事

ハッカー

米証券取引委員会に不正アクセス 政界や市場に動揺広がる

2017年9月22日(金)11時39分

9月20日、米証券取引委員会(SEC)が、適時開示情報システム「エドガー」に不正アクセスがあり、未公開情報がインサイダー取引に利用された恐れがあると公表したことを受けて、政界や市場に動揺が広がっている。写真はワシントンのSEC本部。2009年7月撮影(2017年 ロイター/Jim Bourg)

米証券取引委員会(SEC)が20日、適時開示情報システム「エドガー」に不正アクセスがあり、未公開情報がインサイダー取引に利用された恐れがあると公表したことを受けて、政界や市場に動揺が広がっている。

SECによると、不正アクセスは昨年発生。インサイダー取引に悪用されていた可能性が、先月になって判明したという。

SECは現在も調査を進めているが、不正アクセスのあった正確な時期や、具体的にどのような非公開情報が流出したかは、明らかにされていない。システムの脆弱(ぜいじゃく)性は「速やかに」修正したという。

SECを監督する下院小委員会のビル・ハイゼンガ委員長によると、SECのクレイトン委員長は20日午後、議会を「表敬訪問」し、不正アクセスについて説明。その後、不正アクセスの事実を公表した。

ハイゼンガ委員長は「極めて深刻な問題だ。規制当局として情報をどのように守るか、真剣に考える必要がある」と発言。

サイバー犯罪対策を重要課題の1つに掲げていたクレイトン委員長は、面目を失った格好だ。

全米投資家広報協会のゲイリー・ラブランシュ会長は「(会員企業は)衝撃を受け、失望している」とし、株価に異常な動きがなかったか、調査する方針を示した。

SECの委員は、不正アクセスの事実を最近まで知らされていなかったという。

今年、委員長代行を務めたマイケル・ピオワー委員(共和党)は「昨年不正アクセスがあったことを最近初めて知らされた」との声明を発表している。

上院銀行委員会で説明へ

クレイトン委員長は、今月26日に上院銀行委員会に出席し、不正アクセスについて説明する予定。

同委員会のマーク・ワーナー上院議員は、SECが不正アクセスの情報開示について、企業にどのような対応を義務付けているのかを聞いた上で、SEC自体の情報開示の問題を取り上げると説明している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が

ビジネス

NY外為市場=ドル対ユーロで軟調、円は参院選が重し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中