最新記事

欧州

仏マクロン大統領、EU改革案を提示 防衛協力やユーロ圏予算創設が柱

2017年9月27日(水)10時55分

9月26日、フランスのマクロン大統領はパリで演説し、欧州連合(EU)改革に向け、加盟国が防衛や移民などの問題でより緊密に連携するとともに、ユーロ圏の共通予算を創設するよう呼び掛けた。代表撮影(2017年 ロイター/Ludovic Marin)

フランスのマクロン大統領は26日、パリで演説し、欧州連合(EU)改革に向け、加盟国が防衛や移民などの問題でより緊密に連携するとともに、ユーロ圏の共通予算を創設するよう呼び掛けた。ただ、実行は容易ではないとみられる。

マクロン氏は約2時間続いた演説のなかで、難民や国境警備、法人税、情報共有、防衛、金融安定を含む広範な問題でEU加盟国間の連携を深化させる必要があると指摘、「欧州再生」が将来を保証する唯一の道筋だと訴えた。

「2020年代初頭までに欧州は共通の介入部隊や防衛予算、行動へのドクトリンを有している必要がある」と強調した。

また、ユーロ圏共通予算の創設にはそれを管理する共同財務相やEUレベルでの議会による強い監視が必要との見解を示した。

マクロン氏は、欧州統合深化に向けた取り組みをともに主導するドイツについて、両国の市場と企業への規制を24年までに完全に統合することを提案した。

ドイツのメルケル首相に関しては、「われわれは欧州について同じ大望を抱いている」と指摘。「ドイツには新たなパートナーシップを提案する。全てにおいてすぐに合意はできないかもしれないが、あらゆることを協議する」とした。

また、ドイツ連邦議会(下院)選挙の結果を受けた連立政権樹立に向けた協議でマクロン氏の提案を考慮に入れることを望むと語った。

[パリ 26日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、国防長官候補の変更を検討中 ヘグセス氏

ワールド

韓国大統領の退陣圧力強まる、野党は4日にも弾劾法案

ビジネス

午前の日経平均は反落、前日高の反動 3万9000円

ワールド

原油先物が小動き、米在庫増やOPECプラス減産延長
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
2024年12月10日号(12/ 3発売)

地域から地球を救う11のチャレンジと、JO1のメンバーが語る「環境のためできること」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや筋トレなどハードトレーニングをする人が「陥るワナ」とは
  • 2
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説など次々と明るみにされた元代表の疑惑
  • 3
    【クイズ】核戦争が起きたときに世界で1番「飢えない国」はどこ?
  • 4
    JO1が表紙を飾る『ニューズウィーク日本版12月10日号…
  • 5
    NATO、ウクライナに「10万人の平和維持部隊」派遣計…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「IQ(知能指数)が高い国」はど…
  • 7
    健康を保つための「食べ物」や「食べ方」はあります…
  • 8
    混乱続く兵庫県知事選、結局SNSが「真実」を映したの…
  • 9
    なぜジョージアでは「努力」という言葉がないのか?.…
  • 10
    シリア反政府勢力がロシア製の貴重なパーンツィリ防…
  • 1
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 2
    エリザベス女王はメーガン妃を本当はどう思っていたのか?
  • 3
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 6
    メーガン妃の支持率がさらに低下...「イギリス王室で…
  • 7
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖…
  • 8
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや…
  • 9
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 10
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中