最新記事

米中関係

トランプ政権の次期国務長官「中国に南シナ海の人工島へのアクセス許さず」

2017年1月12日(木)10時49分

1月11日、トランプ次期米大統領が国務長官に指名したレックス・ティラーソン前エクソンモービル会長は、上院外交委員会で、米国は中国に対し、南シナ海での人工島建設を中止すべきで、これらの島へのアクセスは認めないとする姿勢を明確に示すべきだと語った(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

 トランプ次期米大統領が国務長官に指名したレックス・ティラーソン前エクソンモービル会長は11日、上院外交委員会の指名承認公聴会で、米国は中国に対し、南シナ海での人工島建設を中止すべきで、これらの島へのアクセスは認めないとする姿勢を明確に示すべきだと語った。

 ティラーソン氏は、中国による人工島建設と人工島への軍事施設の設置は「ロシアのクリミア併合に似ている」と指摘した。

 米国が対中国でより攻撃的な姿勢を取ることを支持するかと問われると、「米国は中国に対し、まずは人工島建設を中止すべきであり、次に人工島へのアクセスは認められないとする明確なシグナルを送る必要がある」と語った。

 人工島へのアクセスを阻止する具体的な措置には言及しなかった。

 また、米国の不十分な対応が現状を招いたとし、東南アジアにおける従来からの同盟国と協力し、同地域での援護能力を示す必要があると述べた。

 ティラーソン氏は、台湾についても関係を再確認する必要があるとしたが、米政府が長年維持してきた「一つの中国」原則に関して「変更の予定は承知していない」とした。

 北朝鮮政策を巡っては、制裁とその適切な実行に基づく長期的なアプローチをとると言明。既存の対北朝鮮制裁を順守していない中国の企業・団体に対し、米政府として「2次的な制裁」適用を検討すべきかとの質問には「国連制裁に従わないのであれば、順守させる措置を米国として検討することが適切だ」と答えた。

[ワシントン 11日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、主力株の一角軟調

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平の進展期待 ゼレンスキー

ワールド

中国財政政策、来年さらに積極的に 内需拡大と技術革

ワールド

北朝鮮の金総書記、巡航ミサイル発射訓練を監督=KC
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中