最新記事

中国

人民日報傘下紙、シンガポール軍の「偽善」が両国関係を悪化と警告

2016年11月29日(火)10時00分

11月28日、中国の環球時報(英語版)は、台湾との軍事関係をめぐるシンガポールの「偽善」により、中国とシンガポールの関係が損なわれる可能性があると警告した。写真は香港で差し押さえられたシンガポール軍の部隊輸送船。24日撮影(2016年 ロイター/Bobby Yip)

 中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙、環球時報(英語版)は28日付の論説記事で、台湾との軍事関係をめぐるシンガポールの「偽善」により、中国とシンガポールの両国関係が損なわれる可能性があると警告した。

 シンガポール軍の9つの部隊輸送船が先週、台湾から戻る途中に香港で差し押さえられたことを受け、台湾との軍事関係維持をめぐり中国外務省の非難を招いた。

 「いかなる形であれ、シンガポールが台湾との軍事交流を続けることは、もはや合理的ではない」と、同紙の論説記事は述べた。

 シンガポールと台湾は、1970年代から軍事協力の関係にあり、シンガポールの歩兵の訓練場所として台湾を使用することも含まれる。

 中国は、1990年代にシンガポールと国交を回復して以降も、この合意をしぶしぶ容認してきた。

 部隊輸送船の事件は、シンガポールが「一つの中国」の原則に反する動きをしているという「疑いを招く」と、同紙は指摘した。

 論説記事は、環境時報の英語版にのみ掲載。シンガポール軍の「偽善」を示すとして、米国との関係や南シナ海問題におけるスタンスなどを挙げ、「シンガポールに対する中国の世論が変われば、両国関係に重大な一撃となるだろう」と締めくくった。

 環境時報は、政府の公式見解よりタカ派的で、強硬な論説記事で知られる。

[北京 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 8
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中