最新記事

インド

高額紙幣回収で混乱のインド モディ首相がデジタルマネー利用を呼び掛け

2016年11月28日(月)18時22分

 11月27日、インドのモディ首相は、政府の高額紙幣の回収措置に伴い現金が不足しているとして、国内の小規模業者や日雇い労働者らにデジタル決済を利用するよう呼び掛けた。ニューデリーで16日撮影(2016年 ロイター/Adnan Abidi)

 インドのモディ首相は27日、政府の高額紙幣の回収措置に伴い現金が不足しているとして、国内の小規模業者や日雇い労働者らにデジタル決済を利用するよう呼び掛けた。

 モディ首相は、国営ラジオで月例演説を行い、政府は数百万人が500ルピー札と1000ルピー札の使用禁止の影響を受けていることを理解しているとした上で、この措置を続けると語った。

 政府は、11月8日に発表された同高額紙幣の使用禁止は、汚職や使途不明の資産を持つ人々、偽造紙幣を取り締まるのが目的としている。

 モディ首相はヒンディー語で「デジタルの世界に入るチャンスだ」と呼び掛け、モバイルバンキングのアプリやクレジットカードの決済端末を利用するよう求めた。

「100%現金を使わない社会が可能ではないというのは正しい」とした上で、「現金をあまり使わない社会からキャッシュレス社会に段階的に移行することはできる」と訴えた。

 金融大手のクレディスイスの推定によると、インドの消費者の90%以上は現金で決済している。 スマートフォンブームや移動データ通信の価格低下により、近年ではデジタル決済が急増しているものの、依然として低い水準にとどまっている。

[ムンバイ 27日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、レアアース採掘計画と中朝国境の物流施設

ビジネス

英BP、第3四半期の利益が予想を上回る 潤滑油部門

ビジネス

中国人民銀、公開市場で国債買い入れ再開 昨年12月

ワールド

米朝首脳会談、来年3月以降行われる可能性 韓国情報
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中