最新記事

移民

米国へ向かう中米移民急増 トランプ就任目前で駆け込みか

2016年11月25日(金)19時44分

11月24日、中米各国は、ドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利して以降、来年の大統領就任前に米国に到着するために、多くの移民が貧しく、暴力の多い地元を離れ、米国に向かっていると述べた。写真はメキシコ市ティファナ国境付近で24日撮影(2016年 ロイター/Jorge Duenes)

 中米各国は24日、ドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利して以降、来年の大統領就任前に米国に到着するために、多くの移民が貧しく、暴力の多い地元を離れ、米国に向かっていると述べた。

 トランプ氏は、移民に対して強硬な立場。米国に不法滞在している移民数百万人を追放し、メキシコとの国境に壁を築くと警告している。

 米国は2016年度、南西のメキシコとの国境で、前年度比約4分の1増の約41万人を拘束。その大半はグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラスの出身者だった。

 中米の当局者によると、トランプ氏の勝利以降、北へ向かう人が急増し、米国の南部国境沿いに滞留しているという。

 ホンジュラスのマタモロス副外相はロイターに「トランプ氏の就任前に米国に入国しなければいけないと、密入国業者らに促されて国を離れる人が増えている」と懸念を示した。

 グアテマラのモラレス外相も、人々が大挙して同国を去っているととした上で「密入国業者らは借金がある人々を立ち去らせ、旅費代わりに財産を奪い取っている」と、インタビューで述べた。

 米国の税関国境警備局は先週、テキサス州のメキシコ国境近くに、最大500人を収容できる臨時の施設を開設。米国土安全保障省のジョンソン長官は今月、収容施設への移民の収容数が通常より約1万人多いと述べた。

[テグシガルパ/グアテマラ市 24日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相、中国首相と会話の機会なし G20サミット

ワールド

米の和平案、ウィットコフ氏とクシュナー氏がロ特使と

ワールド

米長官らスイス到着、ウクライナ和平案協議へ 欧州も

ワールド

台湾巡る日本の発言は衝撃的、一線を越えた=中国外相
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 5
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    【銘柄】いま注目のフィンテック企業、ソーファイ・…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中