最新記事

アメリカ政治

トランプ次期米大統領、選挙公約「オバマケア撤廃」一部維持を検討

2016年11月12日(土)11時55分

11月11日、トランプ次期米大統領はオバマケアの一部を維持することを検討していると明らかにした。写真はオバマ大統領(右)と会談するトランプ氏(左)。10日撮影。(2016年 ロイター/ Kevin Lamarque )

 ドナルド・トランプ次期米大統領は、選挙期間中に撤廃すると主張していた医療保険制度改革(オバマケア)について、既往症による保険加入の拒否禁止や26歳まで子供を両親が加入する保険対象に含める措置など、一部を維持することを検討していると明らかにした。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで述べた。

  トランプ氏が大統領選挙後にインタビューに応じるのはこれが初めて。

 オバマ大統領と10日にホワイトハウスで会談した際、オバマ氏がこうした措置を残すよう提案したとし、これが自身の考えを変えた大きな理由だと説明。「オバマ大統領に提案を検討すると伝えた。大統領の意思を尊重し検討する」と述べた。

 就任後数週間に優先的に取り組む課題として、「銀行が融資を再開するよう」金融規制を緩和すると述べたほか、麻薬や不法移民の流入を防ぐため国境警備を強化する考えを示した。

 またインフラ投資や通商協定の見直しを通じて雇用を創出するとしたほか、海外に生産拠点を移した米企業の製品に対し関税を課すことで米国民の雇用を維持すると語った。

 大統領選で破った民主党のヒラリー・クリントン氏について、私用メール問題を捜査するための特別検察官を任命するとの選挙公約を実行するかと問われると、「この件については熟考していなかった。医療保険や雇用、国境警備、税制などの問題を解決したいからだ」と弁明した。

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏の核施設破壊発言、「レッドライン越え」=

ビジネス

NY外為市場=ドルまちまち、対円では24年12月以

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

日本と関税巡り「率直かつ建設的」に協議=米財務省
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中