最新記事

地震

イタリア中部地震、死者少なくとも159人 多くは休暇シーズンの観光客か

2016年8月25日(木)10時19分

8月24日、イタリア中部のペルージャ付近で発生したマグニチュード(M)6.2の地震で、当局は夜を徹して救出・捜索活動を行っているが、これまでに少なくとも159人が死亡したと明らかにした。写真はアマトリーチェで続く捜索活動(2016年 ロイター/Emiliano Grillotti)

 イタリア中部のペルージャ付近で24日未明(日本時間午前)、マグニチュード(M)6.2の地震が発生した。山間部の街が大きな揺れに襲われ、建物が倒壊して住民らが下敷きになるなどの被害が出ている。当局は夜を徹して救出・捜索活動を行っているが、これまでに少なくとも159人が死亡したと明らかにした。

 地震が発生したのは24日0136GMT(日本時間午前10時36分)で、発生当時、大半の住民は就寝中だった。震源の深さは10キロメートル。首都ローマから東に約140キロ離れた一帯では住宅や建物が倒壊し道路が損壊した。ローマやボローニャ、ナポリなどでも揺れを感じた。

 市民保護当局では、ラツィオ州アマトリーチェや同州アックモリなどの村々で死者が確認されており、主にラツィオ州やマルケ州で被害が出ているとした。

 レンツィ首相はテレビ演説で「被災地の方々、住民、家族を含め、誰一人として見捨てるわけにはいかない。被災地に希望を取り戻すべく懸命に取り組む」と述べた。

 被災地では軍が特殊な重機を使ってがれきを取り除く作業を進めているほか、ヘリコプターによる救助作業なども行われている。こうしたなか、政府は2億3500万ユーロ(2億6500万ドル)の緊急支援を決定した。

 上空から撮影された写真によると、アマトリーチェではほぼ全域が崩壊。首長は国営テレビに対し「村の4分の3が消失した」とした上で、「がれきの下から助けを求めて叫ぶ声が聞こえる。一人でも多くの救出に全力を挙げる」と語った。

 アマトリーチェは観光名所として知られており、被害者や行方不明者の多くが観光客とみられている。ある住民は「休暇シーズンで多くの若者や人々が訪れていた。あさってにはお祭りが開かれる予定だったのに」と述べた。

[ローマ/アックモリ(イタリア) 24日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中