最新記事

ホワイトハウス

トランプは安全保障よりビジネス優先? 「中国に米国製エンジン売却を」

2020年2月19日(水)11時18分

トランプ米大統領は18日、中国に対する貿易制限を非難し、国家安全保障を「口実」にして外国による米製品の購入が困難になることはないと述べた。メリーランド州アンドルーズ空軍基地で撮影(2020年 ロイター/KEVIN LAMARQUE)

トランプ米大統領は18日、米企業が中国の航空産業にジェットエンジンやその他の部品を供給することを妨げる案を非難し、こうした動きを防ぐよう米政権に指示した。

ロイターは15日、 米政府が米ゼネラル・エレクトリック(GE)による中国商用飛機(COMAC)の旅客機「C919」へのエンジン供給について、販売許可の更新を却下すべきかどうか検討していると報じた。GE製エンジンのほかにも、米ハネウェル・インターナショナルによる飛行制御システムなどの部品の販売を制限する可能性について検討が行われているという。

トランプ大統領はツイッターで「国家安全保障を常に口実として用いることを含め、米国が米製品を購入している外国との取引を難しくするような国になることはあり得ないし、なるつもりもない」と指摘。「例えば、世界で最高の米国製ジェットエンジンを中国に購入してもらいたい」と述べた。

トランプ大統領は具体的な貿易制限に関して言及しなかった。ホワイトハウスはコメントを控えた。

今回の発言では、トランプ大統領は競争上のリスクや国家安全保障を巡る懸念よりも経済的な利益を優先していることが示されたが、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を巡っては米政権は国家安全保障上の懸念を理由に厳しい制限を課している。

トランプ氏はその後、「半導体メーカーも含め国家安全保障とは関係のないものが机の上に置かれている」と語った。

国際通商法務を扱うダグ・ジェイコブソン弁護士は「最終的には米製造企業に害を及ぼしており、自分の首を絞めているようなものだ」と指摘。一方、米半導体産業協会(SIA)はトランプ氏のコメントを歓迎した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200218issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月18日号(2月12日発売)は「新型肺炎:どこまで広がるのか」特集。「起きるべくして起きた」被害拡大を防ぐための「処方箋」は? 悲劇を繰り返す中国共産党、厳戒態勢下にある北京の現状、漢方・ワクチンという「対策」......総力レポート。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

オープンAI、最大1000億ドル調達目指す 評価額

ビジネス

原油先物は下落、ウクライナ和平巡る楽観で 2週続落

ワールド

ブラジル大統領、前大統領の刑期短縮法案に拒否権発動

ビジネス

武田薬品の皮膚疾患薬、後期試験で良好な結果 開発に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中