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イラン核合意

トランプ、英独仏に自動車関税ちらつかせイランへの強硬対応迫る

2020年1月16日(木)11時00分

トランプ米政権は、英独仏がイランに対し核合意違反の責任を正式に問わない場合、欧州自動車の輸入に関税を課す恐れがあると、米紙ワシントン・ポストが15日、欧州関係者の話として報じた。写真は米ニューハンプシャー州のマンチェスターで撮影(2019年 ロイター/Jonathan Ernst)

トランプ米政権は、英独仏がイランに対し核合意違反の責任を正式に問わない場合、欧州から輸入する自動車に25%の関税を課すと圧力をかけている。15日付の米紙ワシントン・ポストが、複数の匿名の欧州関係者の話として報じた。

イラン核合意の欧州参加国である英独仏は14日、イランの核開発抑制に向け「紛争解決手続き」を正式に発動すると発表。同手続きは参加国が核合意違反の存在を認めた場合の解決手段で、最終的にはイランに対する国連制裁再開につながる可能性がある。

イランは「戦略的誤り」として欧州の動きを批判している。

ワシントン・ポスト紙は、トランプ大統領が欧州からの自動車輸入に関税を課すと脅すことはこれまでにもあったが、その目的は欧州との通商関係で米国にとって有利な条件を引き出すことであり、欧州の外交政策の転換を意図するものではなかった、と指摘した。

その上で同紙は、欧州が対イラン「紛争解決手続き」発動を決める中、自動車に関税を課すとの圧力が必要なのかどうかは不明だ、などと疑問を呈している。

ロイターはホワイトハウスと米国務省にコメントを求めたが、現時点で返答はない。

*内容を追加して再送します。

[ロイター]


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