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自分を創る音の風景

vol.4 歌手 平原綾香さん

2014年06月23日(月)12時01分

大ヒットを記録したシングル『Jupiter』で、2003年にデビューを飾った平原綾香さん。以降の活動で世代を越えた感動を巻き起こし続けてきた彼女も、昨年デビュー10周年を迎えた。透き通るような歌声と心に響くメッセージを人々に届けて10年。その間、音楽に対する彼女の情熱は冷めるどころか、ますます熱くなっているようだ。
 幼少時代の<音の原風景>の話からこれまでの活動、そしてプライヴェートのエピソードまで、多岐に渡って話を聞いた。

平原綾香さん

──子どものころはどんな音楽を聴いていたんですか?
「父がサックス・プレイヤーなので、コンサートによく連れていってもらっていたんですよ。5歳のころだと思うんですけど、父がサポート・メンバーをしていた安全地帯のコンサートにも行きました。MCで玉置浩二さんに<サックスは平原まこと!>って紹介されているし、なによりも自分の父が大きなステージでサックスを吹いている姿が格好よくて。私もいつかこういうステージに立ってみたい! と夢見るようになったんです」

──おじいさまもトランペット奏者だったんですよね。家には常に音楽が溢れていた?
「自宅では父がよくサックスを練習していましたし、レコーディングしてきたものを聴かせてもらったこともありますね。それがジャズのときもあれば演歌や童謡のときもあって。でも、父から<音楽をやりなさい>と言われたことはなかったんですよ。あくまでも自分が好きでやり始めたことなんです」

──小学校1年のときにクラシック・バレエを始めますよね。
「姉が先にやっていたので、私も自然にやるようになったんです。人前に立つのが苦手だったんですけど、踊ることは恥ずかしくなかった。いろんな曲で踊りましたよ。"コッペリア"だったり"くるみ割り人形"だったり。だから、今でもクラシックを聴くと踊りたくなるんです」

──そして、13歳でサックスを始めますね。
「ずっと吹いてみたいと思っていたんですけど、サックスって歯が生え揃わないと吹けないんですよ。だから、13歳までずっと我慢していたんです(笑)。実際に吹いてみたら、とにかく楽しくて。息を吹き込んで音が出るって当たり前のことかもしれないけど、すごいことだと思うんですよ。息を吹き込んで、それぞれに違う音が出る。<音楽っておもしろいな>という思いがどんどん膨らんでいきましたね」

──サックスを始められたのも元はといえばお父様がきっかけだったわけですが、音楽をやっていくうえで、お父様からはどのようなことを学びましたか?
「<音楽家である前に人間であれ>ということはよく言われました。人間的にしっかりしていないと、人に何かを伝える資格なんてない、と。あとは<練習は裏切らない>ということ。いくら緊張する場面でも、練習をきちんとしていればそれが自分を助けてくれる。そういうことを言われていたので、中学生のころからよく練習していました。ま、そのころはあまり練習するのは好きじゃなかったんですけどね(笑)」

──やっぱり練習は裏切らない?
「うん、本当に裏切らないんですよ。だから、私にとって練習はとても大事なことなんです。それは今も変わらないですね」

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