自閉症の妹を売って生きる... 文句なしの問題作『岬の兄妹』が見せる今の邦画に足りないもの
2019年に公開されたこの映画については、「問題作」「衝撃作」などの修辞が常に付いて回る。ある意味で手あかの付いたフレーズだけど、この作品については全く違和感がない。確かに衝撃的な問題作だ。
兄と妹は底辺まで落ちる。極貧とか底辺とかのレベルではない。底が抜けて一線を越える。越えながら落ちる。何度も落ちる。落ちながらもがく。2人の俳優が素晴らしい。抑制した演出も見事だ。そして秀逸なラスト。振り返る妹の表情。貧しい港町。夕暮れの曇り空。
......今回は前置きが長すぎた。でもこの映画にはこれでいい。ぐだぐだ書く必要はない。観られることに特化した映画だ。今の邦画に足りないものを見せる。『福田村事件(仮)』はそれを目指しているが、違う角度からそれを見せつけられた。
『岬の兄妹』(2018年)
©SHINZO KATAYAMA.
監督/片山慎三
出演/松浦祐也、和田光沙、北山雅康、岩谷健司
<本誌2022年11月8日号掲載>
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