コラム

米メタが「ファクトチェック」廃止...SNSの「ノーチェックでの」言論の自由は、何をもたらすか?

2025年01月10日(金)17時30分

クレッグ氏は中道・英自由民主党の元党首。正真正銘のEU残留派でグローバリストのリベラルだ。18年10月からメタ社のグローバル担当最高責任者を務め、シリコンバレーの豪邸に住んでいた。ホワイト氏は格闘技の興行を通じてトランプ氏と知り合った側近中の側近だ。

世界はカオスの渦に放り込まれる

クレッグ氏は「退任する適切な時期だと考えるようになった。本当に一生に一度の冒険だった! イノベーションが透明性と説明責任の向上、新しいガバナンスの形態と両立できるよう会社全体のチームを率い、サポートしてきたことを誇りに思っている」とXに投稿した。

メタは21年の米連邦議会襲撃事件を受け、トランプ氏のフェイスブックアカウントを一時凍結したため関係が悪化。トランプ氏が先の大統領選で返り咲きを決めた後、100万ドルを大統領就任基金に寄付し、トランプ氏にすり寄る。

格差拡大とともに世界は分断し、常識は通じなくなった。大統領選でトランプ氏に急接近したイーロン・マスク氏は自身が保有するXに極論を連続投稿して労働党のスターマー政権への攻撃を強める。ザッカーバーグ氏がトランプ氏の軍門に下り、世界はカオスの渦に放り込まれる。

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2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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