イラン戦争で原油急騰、各国が対策に奔走 備蓄放出も
写真はガソリンスタンドの地下貯蔵タンクに補給する従業員。3月9日、フィリピンのマニラ首都圏ケソン市で撮影。REUTERS/Lisa Marie David
[シンガポール 9日 ロイター] - 米国・イスラエルとイランの戦争の影響で原油価格が9日、記録的な急騰となったことを受け、各国政府は経済や消費者への打撃を抑えるための対応に追われた。
フランス政府筋は、主要7カ国(G7)の財務相が石油備蓄の協調放出について協議すると明らかにした。
石油の70%を中東から輸入する韓国では、李在明大統領が約30年ぶりに国内燃料価格に上限を設定すると表明した。
日本では鹿児島県志布志市の国家石油備蓄基地に対し、資源エネルギー庁が放出の準備をするよう指示したことが8日、中道改革連合の長妻昭衆院議員の話で明らかになった。
木原稔官房長官は9日午前の記者会見で、石油備蓄放出の検討状況については「国家備蓄石油の放出を決定した事実はない」と述べた上で、政府内の検討状況を逐一回答することは控えるとした。
このほか、ベトナムは燃料の輸入関税を撤廃し、バングラデシュは電力と燃料の節約のため大学を閉鎖した。中国も先週、精製業者に燃料輸出の停止と、すでに確定した出荷の取り消しを試みるよう求めた。
<トランプ氏、価格急騰懸念を一蹴>
米上院のシューマー民主党院内総務は、トランプ大統領に対し、戦略石油備蓄(SPR)を直ちに放出するよう求めた。
トランプ氏は8日、自身の交流サイト(SNS)への投稿で「イランの核の脅威が排除されれば石油価格は急速に下落する。短期的な価格上昇は、米国と世界の安全と平和のために支払う、ごくわずかな代価だ」と主張し、「そう思わないのは愚か者だけだ!」と述べた。
9日の原油市場は一時約25%急騰し、2022年半ば以来の高値を付けた。北海ブレント先物は1日としては最大の上昇を記録する見通し。
ケプラーのシニア石油アナリスト、Muyu Xu氏は「石油価格は今や、『パーフェクト・ストーム』の条件が全て揃った状態にある。中東湾岸産油国の生産削減、ホルムズ海峡の長期閉鎖に加え、現状が早期に好転するとの見方に対する悲観論が強まっている」と述べた。
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