ニュース速報
ワールド

イラン戦争で原油急騰、各国が対策に奔走 備蓄放出も

2026年03月09日(月)18時13分

写真はガソリンスタンドの地下貯蔵タンクに補給する従業員。3月9日、フィリピンのマニラ首都圏ケソン市で撮影。REUTERS/Lisa Marie David

[シン‌ガポール 9日 ロイター] - 米国・イスラ‌エルとイランの戦争の影響で原油価格が9日、​記録的な急騰となったことを受け、各国政府は経済や消費者⁠への打撃を抑えるため​の対応に追われた。

フランス政府筋は、主要7カ国(G7)の財務相が石油備蓄の協調放出について協議すると明らかにした。

石油の70%を中東から輸入する韓国では、李在明大統領が約30年ぶりに国⁠内燃料価格に上限を設定すると表明した。

日本では鹿児島県志布志市の国家石油備蓄基地に対し、⁠資源エネ​ルギー庁が放出の準備をするよう指示したことが8日、中道改革連合の長妻昭衆院議員の話で明らかになった。

木原稔官房長官は9日午前の記者会見で、石油備蓄放出の検討状況については「国家備蓄石油の放出を決定した事実はない」と述べた上で、政府内⁠の検討状況を逐一回答することは控‌えるとした。

このほか、ベトナムは燃料の輸入関税を撤廃し、⁠バングラ⁠デシュは電力と燃料の節約のため大学を閉鎖した。中国も先週、精製業者に燃料輸出の停止と、すでに確定した出荷の取り消しを試みるよう求めた。

<トランプ氏、価格急騰懸念を一蹴>

米上院のシュ‌ーマー民主党院内総務は、トランプ大統領に​対し、戦‌略石油備蓄(SPR)を直⁠ちに放出するよう求め​た。

トランプ氏は8日、自身の交流サイト(SNS)への投稿で「イランの核の脅威が排除されれば石油価格は急速に下落する。短期的な価格上昇は、米国と世界の安全と平和のために支払う、ごくわずかな代価だ」と‌主張し、「そう思わないのは愚か者だけだ!」と述べた。

9日の原油市場は一時約25%急騰し、2022年半ば以来の​高値を付けた。北海ブレント先⁠物は1日としては最大の上昇を記録する見通し。

ケプラーのシニア石油アナリスト、Muyu Xu氏は「石油価格は今や、『パーフェクト・スト​ーム』の条件が全て揃った状態にある。中東湾岸産油国の生産削減、ホルムズ海峡の長期閉鎖に加え、現状が早期に好転するとの見方に対する悲観論が強まっている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英国債と英ポンドが急落、年内利上げを織り込み直す

ワールド

ベルギーのシナゴーグで爆発、負傷者なし 反ユダヤ主

ワールド

NATO、北極圏演習を開始 2万5000人参加

ワールド

焦点:広がるドローンやミサイルの脅威、旅客機パイロ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ルートとは?...スクワットの真実
  • 2
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    「溶けた金属のよう...」 ヨセミテ国立公園で「激レ…
  • 5
    大江千里が語るコロナ後のニューヨーク、生と死がリ…
  • 6
    なぜ脳は、日本的「美」に反応する? 欧米の美とは異…
  • 7
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 10
    最後のプリンスが「復活」する日
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 5
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中