中国、タングステンなど金属5品目に輸出規制 米関税に対抗措置か

2月4日、中国商務省と税関当局は国家安全保障上の利益を保護するためとして、タングステン、テルル、ルテニウム、モリブデン、ルテニウム関連品目の輸出規制を実施すると発表した。写真はタングステン。韓国・江原道の鉱山で2022年3月撮影(2025年 ロイター/ Heo Ran)
Amy Lv Lewis Jackson Ashitha Shivaprasad
[香港 4日 ロイター] - 中国商務省と税関当局は4日、国家安全保障上の利益保護を理由にタングステンなど5種類の金属の輸出規制を実施すると発表した。
対象は、タングステン、テルル、モリブデン、ビスマス、インジウムで即日実施した。輸出規制は、米国の対中追加関税が発効した数分後に発表された。
これらの金属はスマートフォン、電気自動車(EV)バッテリー、太陽光パネル、赤外線ミサイル、弾薬など、多くの分野で使用されている。
商務省は「国家安全保障上の利益を守る」ため、これらの金属と関連製品の輸出には今後、許可が必要になると説明した。これまでのような全面的な禁輸は見送り、米国との貿易摩擦に慎重に対応する姿勢を示した。
プロジェクト・ブルーのコンサルティング責任者ジェシカ・ファン氏によると、中国が昨年12月にアンチモンなどの対米輸出を禁止する決定を下して以来、タングステンなどの金属に対する輸出規制を拡大するのではないかとの観測が広がっていた。
同氏は今回の輸出規制は、中国国外での価格上昇を招く可能性が高いと分析している。