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北朝鮮の新型ICBM発射、ロシアの役割巡る議論に火を付ける

北朝鮮による固体燃料エンジン搭載型の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射は、核保有国である北朝鮮に対するロシアの役割を巡って議論に火を付けた。提供画像(2023年 ロイター)
[ソウル 18日 ロイター] - 北朝鮮による固体燃料エンジン搭載型の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射は、核保有国である北朝鮮に対するロシアの役割を巡って議論に火を付けた。
米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が17日に発表した報告書で、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のセオドア・ポストル名誉教授は火星18がロシアとの技術協力でもたらされた可能性が高いとの見方を示した。
火星18は4月に初めて発射された。7月12日に打ち上げられた際は、北朝鮮のミサイル発射実験としては過去最長の飛行時間を記録した。
ポストル氏は「こうした高度な能力が突如もたらされたことは、ロシア政府と科学者の協力なしには説明しがたい」と記した。
一方、米ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)の研究者らはロイターに開示した報告書の草案で、CSISの報告書についてロシアのICBMの「トーポリM」と「ヤルス」を取り違えるなどの事実誤認があると指摘しつつ、システム開発でロシアの組織が北朝鮮を支援した可能性を排除しないと言及。ただ、ロシアが完全なICBMシステムを移転した可能性については、これを排除する明確な違いが見られたと結論付けた。
欧州を拠点とするミサイル専門家のマルクス・シラー氏もCSISの報告書が「多くの点で明らかに間違っている」と同意しながらも、そうした間違いがロシアの関与の可能性を示す兆候を覆い隠してはならないと指摘した。