ニュース速報

ワールド

北朝鮮の新型ICBM発射、ロシアの役割巡る議論に火を付ける

2023年08月19日(土)01時48分

北朝鮮による固体燃料エンジン搭載型の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射は、核保有国である北朝鮮に対するロシアの役割を巡って議論に火を付けた。提供画像(2023年 ロイター)

[ソウル 18日 ロイター] - 北朝鮮による固体燃料エンジン搭載型の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射は、核保有国である北朝鮮に対するロシアの役割を巡って議論に火を付けた。

米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が17日に発表した報告書で、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のセオドア・ポストル名誉教授は火星18がロシアとの技術協力でもたらされた可能性が高いとの見方を示した。

火星18は4月に初めて発射された。7月12日に打ち上げられた際は、北朝鮮のミサイル発射実験としては過去最長の飛行時間を記録した。

ポストル氏は「こうした高度な能力が突如もたらされたことは、ロシア政府と科学者の協力なしには説明しがたい」と記した。

一方、米ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)の研究者らはロイターに開示した報告書の草案で、CSISの報告書についてロシアのICBMの「トーポリM」と「ヤルス」を取り違えるなどの事実誤認があると指摘しつつ、システム開発でロシアの組織が北朝鮮を支援した可能性を排除しないと言及。ただ、ロシアが完全なICBMシステムを移転した可能性については、これを排除する明確な違いが見られたと結論付けた。

欧州を拠点とするミサイル専門家のマルクス・シラー氏もCSISの報告書が「多くの点で明らかに間違っている」と同意しながらも、そうした間違いがロシアの関与の可能性を示す兆候を覆い隠してはならないと指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エヌビディア、半導体密輸対策に役立つ位置確認技術構

ビジネス

26年の最大のテールリスクはAI巡るサプライズ、ヘ

ワールド

インドネシアとの貿易協定、崩壊の危機と米高官 「約

ビジネス

米エクソン、30年までに250億ドル増益目標 50
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中