ニュース速報

ワールド

タイ中銀、政策金利を0.25%引き上げ 3会合連続

2022年11月30日(水)20時12分

 11月30日 タイ中央銀行は30日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ1.25%とした。写真はタイ中央銀行のロゴ。2016年8月、バンコクで撮影(2022年 ロイター/Chaiwat Subprasom)

[バンコク 30日 ロイター] - タイ中央銀行は30日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ1.25%とした。世界的な逆風に直面している景気回復を支援しながら目標を上回るインフレ率の抑制を目指す。

利上げは全会一致で、3会合連続。中銀はインフレ抑制と景気回復の支援を目指している。

ロイター調査ではエコノミスト19人中17人が25bpの利上げ、2人が据え置きを予想していた。

今年と来年の成長率予想を下方修正し、世界経済見通しの下振れリスクを要因に挙げた。一方で好調な観光業が国内経済を下支えするとした。

中銀は声明で「観光産業は引き続き拡大している。民間消費は経済活動の改善に支えられている」と表明。金融部門は依然強靭(きょうじん)とも指摘した。

ピティ中銀総裁補は経済成長が今年は3.2%、来年は3.7%になるとの見通しを示した。従来予想(今年3.3%、来年3.8%)を若干下回る。

今年の総合インフレ率の予想は6.3%。来年の予想は2.6%から3%に引き上げられたが、目標レンジ内(1─3%)となる見通し。

中銀は利上げは緩やかで慎重なものになると表明。幅とタイミングは必要に応じて調整すると述べた。

「成長率とインフレの見通しから、緩やかな政策正常化が金融政策として適切と判断した」と説明した。

「インフレに対するリスク、特にコスト転嫁が拡大する可能性や、依然として不透明な国内のエネルギー価格を引き続き注意深く監視していく」とした。

キャピタル・エコノミクスのアジア担当シニアエコノミスト、ガレス・レザー氏は「(中銀は)以前の会合よりもインフレに対してややタカ派的」であるようだと指摘した。

「中銀は今後数カ月、難しいバランスに直面する」とし「インフレ抑制のために利上げを続ける必要がある一方で、引き締めを急ぎ過ぎて景気回復の芽を摘まないようにしなければならない」と述べた。金利のピークは1.75%と予想した。

カシコーンバンクの資本市場調査部門を率いるKobsidthi Silpachai氏は、2023年にさらに50bpの利上げが行われるとの見方を示した。

バーツは利上げ発表後、0.4%上昇。中銀はバーツが依然として非常に不安定で動向を注視していると述べた。

中銀は外国人観光客について、今年は1050万人、来年は2200万人とし、前回予想の950万人、2100万人から上方修正した。

また今年の輸出は7.4%増、来年は1.0%増と予想した。従来は22年が8.2%増、23年は1.1%増と予想していた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ネタニヤフ氏、イラン核問題巡りトランプ氏と協議へ 

ワールド

トランプ氏、グリーンランド特使にルイジアナ州知事を

ワールド

ロ、米のカリブ海での行動に懸念表明 ベネズエラ外相

ワールド

ベネズエラ原油輸出減速か、米のタンカー拿捕受け
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中