ニュース速報

ワールド

米韓軍事演習は未決定、南北の緊張生むべきでない=韓国

2021年08月03日(火)08時43分

 8月2日、韓国は2日、米国との合同軍事演習について決定は下されていないとした上で、演習が南北の緊張を生み出すべきではないとの立場を示した。写真は韓国と米国の旗。提供写真(2021年 ロイター/U.S. Army)

[ソウル 2日 ロイター] - 韓国は2日、米国との合同軍事演習について決定は下されていないとした上で、演習が南北の緊張を生み出すべきではないとの立場を示した。北朝鮮は、韓国に演習を実施しないようけん制していた。

米韓は、主に春や夏に定例の合同軍事演習を実施している。

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は1日、韓国に対し、演習を実施すれば、南北の関係修復に向けた取り組みが損なわれると警告した。

北朝鮮と韓国は先週、1年前に遮断された南北のホットライン(直通電話回線)を再開。韓国政府筋によると、両国は関係修復に向け、首脳会談を開く方向で協議を行っている。

韓国国防省の報道官は2日、軍事演習について米韓政府は協議しているものの、決定はしていないと説明。「(与正氏の)談話についてコメントはないが、演習に関して言えば、時期や方法は決まっていない」とした。

その上で、新型コロナウイルスの状況や合同防衛態勢のほか、「朝鮮半島の持続的な平和実現に向けた外交努力の支援」などについて考慮した上で決定すると述べた。

一方、韓国統一省の報道官は「いずれにしても(米韓演習が)軍事的緊張の原因になるべきではない」との見解を示した。詳細には踏み込まなかった。

米国防総省は、与正氏の警告についてコメントを差し控えた。その上で「合同演習は二国間の決定であり、いかなる決定も相互の合意に基づくものになる」と表明した。

米国務省報道官は、米政府は南北間の対話と取り組みを支持し、最近のホットライン再開の動きを歓迎するとあらためて表明。「朝鮮半島の完全な非核化の実現に外交と対話は不可欠だ」と述べた。

また、米国務省のプライス報道官は記者会見で、ブリンケン国務長官が今週の会議で、東南アジア諸国に対し北朝鮮への制裁の完全な履行を呼び掛ける意向だと明らかにした。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍、台湾包囲の大規模演習 実弾射撃や港湾封鎖訓

ワールド

和平枠組みで15年間の米安全保障を想定、ゼレンスキ

ワールド

トルコでIS戦闘員と銃撃戦、警察官3人死亡 攻撃警

ビジネス

独経済団体、半数が26年の人員削減を予想 経済危機
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 10
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中