ニュース速報

ワールド

ローマ教皇、香港司教を任命

2021年05月18日(火)01時48分

ローマ教皇フランシスコは17日、香港の新たな司教としてイエズス会の周守仁氏(61)を任命した。写真は16日撮影(2021年 ロイター/Remo Casilli)

[バチカン市 17日 ロイター] - ローマ教皇フランシスコは17日、香港の新たな司教としてイエズス会の周守仁氏(61)を任命した。バチカン(ローマ教皇庁)と中国が対立し、香港の人権問題で西欧諸国の懸念が高まる中での大幅に遅れた任命となった。

周氏は、前司教の楊鳴章氏が2019年1月に死去して以降、代理責任者を務めた湯漢枢機卿の後を継ぐ。

香港のキリスト教徒は、香港の自由を擁護するために積極的に行動することを求める一派と、対立を抑えたい派で別れている。新しい司教はこうした緊張を和らげる必要がある。

司教はこれまで2人の任命に失敗してきた。候補者は現地のキリスト教徒が安心するには中国に近すぎると見なされたか、2019年に香港を揺るがした民主化運動で目立つ存在だったため中国政府が認めないと見なされた。

上級聖職者は周氏が中間的な存在であると言う。米国で教育を受け香港のカトリック学校を長年監督した経験から、教会だけでなく広範なコミュニティとつながりがある。

別の上級聖職者は周氏が、バチカンと中国政府との非公式な架け橋としての役割もあると指摘した。バチカンと中国は歴史的に緊迫した関係にあり、正式な外交関係も結んでいないが、昨年9月に中国の司教任命に関する暫定合意を2年間延長した。

司教任命に詳しい聖職者は「正式な外交関係がなく、バチカンが暫定合意に対して不安を抱いていることから、次の司教は信者を守りつつ、双方の懐疑心を和らげるため向こう数年間重要な役割を担う」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米の州司法長官、AI州法の阻止に反対 連邦議会へ書

ビジネス

7-9月期GDPギャップ3期ぶりマイナス、需要不足

ワールド

韓国前首相に懲役15年求刑、非常戒厳ほう助で

ビジネス

景気判断「緩やかに回復」維持、物価高継続の影響など
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中