ニュース速報

ワールド

ミネソタ州黒人死亡は警官の誤射、大統領「平和的抗議を」

2021年04月13日(火)14時00分

バイデン米大統領は12日、ミネソタ州ミネアポリス近郊で11日に黒人男性が警官に射殺された事件について、「略奪や暴力は正当化されない」として平和的抗議活動を呼び掛けた。写真は、ミネソタ州ブルックリンセンターの警察署で、警官に抗議する人々(2021年 ロイター/Nicholas Pfosi)

[ワシントン 12日 ロイター] - バイデン米大統領は12日、ミネソタ州ミネアポリス近郊で11日に黒人男性が警官に射殺された事件について、「略奪や暴力は正当化されない」として平和的抗議活動を呼び掛けた。調査を通じて説明責任を確保する必要性も強調した。

死亡したのはダンテ・ライトさん(20)で、事件が発生したブルックリンセンターでは抗議活動が繰り広げられた。現場から10数キロ離れた裁判所では、昨年全米に広がった人種差別抗議デモのきっかけとなった黒人暴行死事件で訴追された元警官の公判が開かれており、緊迫した状況が続いている。

バイデン氏は記者団に事件は「悲劇的」だとした上で、調査結果を待つ必要があると指摘。「略奪や暴力は全く正当化されないと改めて強調したい。平和的抗議活動は理解できる」と述べた。

ブルックリンセンターのテイム・ガノン警察署長は記者会見で、自動車登録の期限が切れていたため警官がライトさんの車を止めたところ、既に逮捕状が出ていることが分かったと説明。ライトさんが逃れようとしたため警官はテーザー銃を使おうとしたが、誤って銃を発砲したようだと語った。会見で公表されたビデオ録画には、警官が車の横で手錠をかけようとしたところライトさんが車内に戻り、別の警官が「テーザー、テーザー」と叫んだ後に拳銃が一発発射され、「しまった、撃ってしまった」という音声が記録されている。

ガノン署長は「誤射がライト氏の悲劇的な死につながってしまった」と述べた。

拳銃を発射した警官は26歳の女性警官で、休職処分となった。ブルックリンセンターのエリオット市長は解雇を求めている。

こうした事態を受けワルツ・ミネソタ州知事は、ミネアポリスとセントポールを含む地域に現地時間12日午後7時から13日午前6時までの外出禁止令を発令した。

バイデン氏はその後、ツイッターへの投稿で「ここから前進するには、信頼を再構築し、誰も法を超越することがないよう説明責任を確保する必要がある」と訴えた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中