ニュース速報

ワールド

緊急事態宣言、6府県先行で「条件付き解除」=西村再生相

2021年02月26日(金)17時31分

 2月26日、基本的対処方針等諮問委員会は26日、3月7日を期限として10都府県に出している新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言について、大阪府など6府県で先行解除する方針を了承した。写真は西村再生相。都内で昨年9月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 26日 ロイター] - 新型コロナウイルス感染症の基本的対処方針等諮問委員会は26日、来月7日を期限として10都府県に出している緊急事態宣言について、大阪府など6府県で先行解除する方針を了承した。新規感染者数が減少し医療体制の改善が続いているためだが、会見した西村康稔経済再生相は、変異株の広がりなどもあり引き続き感染防止対策が必要として、「いわば条件付き解除だ」と説明した。

<解除6府県、飲食店の時短継続─協力金柔軟に対応>

今回解除の対象となるのは、大阪府のほか京都府、兵庫県、愛知県、岐阜県、福岡県。

西村経済再生相によると、諮問委員会の専門家の間では、1)変異株の状況、2)解除後の病床、3)解除により若い世代に心理的に与える影響──などについて懸念が示され、再拡大を防ぐ調査の充実、疫学調査の体制強化などの必要性が要求されたという。

西村再生相は「本日の議論を、(従来の予定通り緊急事態宣言が3月7日まで継続される)首都圏の判断にもつなげたい」と指摘した。

<首都圏の解除判断、変異株念頭に専門家に意見聞く>

諮問委員会の後、西村再生相は6府県の前倒し解除方針を衆院議院運営委員会で報告を行った。宣言を解除する地域でも、飲食店の営業時間短縮の取り組みを支援する方針を強調し、6府県からは現在夜8時までとなっている時短営業を9時までに変更して継続する方向と聞いていると説明した。協力金は現在6万円を上限としているが、政府として、同4万円とすることを基本に柔軟に対応したいと述べた。

また、小川淳也委員(立民)の質問に対し、引き続き緊急事態宣言の対象となる首都圏4都県の解除判断については「(新型コロナの)変異株も頭に置いて専門家の意見を聞いて判断する」意向を示した。

<GoTo再開、慎重に判断したい>

停止中の観光刺激策GoToトラベルの再開については、西村再生相は「感染が再拡大しないよう慎重に判断したい」と述べた。

また、小川委員は、首都圏の解除の判断は夏に予定されている東京五輪・パラリンピックの開催と関連するか質問。西村再生相は「五輪は安心して開催できるよう全力を挙げて感染を抑えることが重要」と答えた。

*内容を追加しました。

(竹本能文 編集:内田慎一、田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀が金利据え置き、5対4の僅差 12月利下げの

ビジネス

ユーロ圏小売売上高、9月は前月比0.1%減 予想外

ビジネス

日産、通期純損益予想を再び見送り 4━9月期は22

ビジネス

ドイツ金融監督庁、JPモルガンに過去最大の罰金 5
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの前に現れた「強力すぎるライバル」にSNS爆笑
  • 4
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 5
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 6
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 7
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 8
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 9
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中