ニュース速報

ワールド

USTR代表候補タイ氏、中国に通商合意守らせる方針 「関税は正当」

2021年02月26日(金)14時08分

2月25日、バイデン米大統領が通商代表部(USTR)代表に指名したキャサリン・タイ氏は、上院財政委員会の指名承認公聴会で証言し、各種関税措置を通商政策の「正当な手段」として支持したほか、中国には米国との通商合意を守らせると強調した。米議会で開かれた公聴会で代表撮影(2021年 ロイター)

[ワシントン 25日 ロイター] - バイデン米大統領が通商代表部(USTR)代表に指名したキャサリン・タイ氏は25日、上院財政委員会の指名承認公聴会で証言し、各種関税措置を通商政策の「正当な手段」として支持したほか、中国には米国との通商合意を守らせると強調した。

上院はタイ氏の指名を承認する見通し。

タイ氏は公聴会で、貿易ルールがあいまいな「グレーエリア」を中国が悪用しているとし、これをなくすために国際貿易ルールを見直すべきと提唱。労働条件や環境の悪化につながる「底辺への競争(race to the bottom)」をやめるべきだと訴えた。

同氏は「長年にわたり、われわれの通商政策は国家が互いに貿易を拡大するほど貿易が自由化され、さらなる平和と繁栄がもたらされるとの前提に基づいていた」とした上で、しかしこれまでの貿易自由化はかえって衰退や労働条件や環境基準の低下を招くことが多かったと指摘した。

タイ氏はトランプ前大統領の「米国第一」の通商政策を否定しなかったが、投資と貿易を通じて米国民の生計を守ることを目指す「労働者中心の」貿易モデルに改良すると述べた。

中国については「国家が経済を主導できる中国は極めて手ごわい競争相手」だとし、中国の戦略と野望に対抗するために、米国は投資、サプライチェーン強化、貿易をより戦略的に行う必要があると述べた。

また、「中国には履行すべき約束がある」と語り、2020年1月に結んだ第1段階の米中通商合意を順守しなければならないと述べたが、具体的な対応には触れず、新たな関税発動にも言及しなかった。

米国は他国と協力し、中国に構造的変化を求めるための新たな選択肢を模索すべきだとした。

タイ氏は、鉄鋼とアルミニウムに対する関税について問われると、関税は「正当な手段」ではあるが、こうした金属の世界的な過剰生産能力という核心的問題を是正するために、あらゆる通商政策手段が必要とされると述べた。

トランプ前政権下のライトハイザーUSTR代表の首席補佐官を務めたジェイミーソン・グリア氏は、タイ氏の関税への見解について前政権のスタンスを維持するものと指摘。「きょうの証言からは、バイデン政権が関税を道徳の問題とみなしていないことが明白だ。関税は行使され得る手段だ」と語った。

タイ氏は公聴会で、米国の知的財産権のより良い保護には、トランプ前政権が中国との関税戦争で利用した通商法301条のほかに法的手段が必要になると発言。

また、中国の新疆ウイグル自治区での強制労働に対する判断が優先事項だとし、「強制労働はおそらく底辺への競争の最たる例」だと述べた。

バイデン大統領の通商目標の達成には、国内サプライチェーンの強化に加え、競争力向上のための人材やインフラへの投資が不可欠だとした。

米国が途中で離脱した環太平洋連携協定(TPP)への直接復帰については、状況が大きく変化したと述べ、否定した。ただ、米国はアジア諸国と貿易で協力するとし、世界貿易機関(WTO)の効率化にも取り組む方針を示した。

北米の新貿易協定「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」については、履行を優先すると述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ユナイテッド航空 、秋まで運航便5%削減 中東情

ワールド

米政府、輸送中のイラン産原油売却を容認 30日間の

ワールド

米、イラン戦争の目標達成に近づく=トランプ氏

ワールド

イラク、外国企業運営の油田で不可抗力宣言 ホルムズ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    将来のアルツハイマー病を予言する「4種の先行疾患」…
  • 9
    「嘘でしょ!」空港で「まさかの持ち物」を武器と勘…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 8
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中