ニュース速報

ワールド

米国防長官候補、米軍から「人種差別・過激主義者を排除する」

2021年01月20日(水)12時00分

 1月19日 バイデン次期米政権の国防長官に指名されたオースティン退役陸軍大将は承認公聴会で、米軍の全階層から「人種差別主義者と過激主義者」を排除するとともに、同盟国との関係を修復するために取り組む意向を示した。中国に戦略的な重点を置く考えも表明した。写真は公聴会で質問を受けるオースティン氏。1月19日、ワシントンで撮影(2021年 代表撮影)

[ワシントン 19日 ロイター] - バイデン次期米政権の国防長官に指名されたオースティン退役陸軍大将は19日の承認公聴会で、米軍の全階層から「人種差別主義者と過激主義者」を排除するとともに、同盟国との関係を修復するために取り組む意向を示した。中国に戦略的な重点を置く考えも表明した。

黒人初の国防長官となるオースティン氏(67)は上院軍事委員会で「承認され次第、性的暴行をなくし、軍から人種差別主義者と過激主義者を排除し、適性とやる気があれば誰でも国に仕えることができる環境をつくるために懸命に取り組む」と強調した。

「国防総省の任務は米国を敵から守ることだ。しかし、軍内部に敵が潜んでいたらそれはできない」と述べた。

国防総省はオースティン氏の発言の少し前に、就任式に合わせ首都ワシントンに動員された州兵のうち、身元調査を受けて12人が任務から外されたと確認した。過激思想と関係があるかどうかの調査も含まれた。

米国では文民統制の観点から、元軍人は退役後7年が経過しなければ国防長官に就任できないとの法規定があるため、オースティン氏の就任には議会が法律の適用除外を認める必要がある。下院の日程では、21日に適用除外に関する採決が予定されている。

バイデン氏はトランプ大統領が導入した、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの米軍入隊を禁止する措置を撤回する計画で、オースティン氏はこれに支持を表明した。

対外政策については、アジア、とりわけ中国に戦略的重点を置くとした。中国が軍事力で米国を上回る軍の構築を目指していることについて問われると、「決してそうならないよう」取り組むと強調した。

さらに、「同盟関係を修復」する考えを示した。

2016年に退役するまで中東地域の米軍を統括した同氏は、イランの行動は不安定化要因となっており、イラン政府は米軍や中東地域のパートナー国に脅威をもたらしている指摘。

「イランが核能力を獲得する事態となれば、(中東)地域でわれわれが扱うほぼ全ての問題の対応がさらに困難になる」とした。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

AIブームが新リスク、金融業界からは買収の高プレミ

ビジネス

世界の高級品売り上げ、来年は回復へ 長期には値上げ

ビジネス

FRB12月金利決定に「慎重」姿勢で臨む=フィラデ

ワールド

高市首相、G20サミット出席のため21日から南ア訪
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中