ニュース速報

ワールド

ブラジルGDP、第3四半期7.7%増 大幅回復も先行きに懸念

2020年12月04日(金)00時37分

ブラジル地理統計院(IBGE)が3日発表した第3・四半期国内総生産(GDP)は前期比7.7%増と、過去最大の伸びを記録した。リオデジャネイロで1日撮影(2020年 ロイター/PILAR OLIVARES)

[ブラジリア 3日 ロイター] - ブラジル地理統計院(IBGE)が3日発表した第3・四半期国内総生産(GDP)は前期比7.7%増と、過去最大の伸びを記録した。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための封鎖措置が緩和される中、大半の部門で経済活動が大幅に回復した。市場予想は9.0%増だった。

第3・四半期の持ち直しを受け、ブラジル経済は現在、2017年初めの規模に戻った。第2・四半期GDPは過去最大の落ち込みを記録し、09年水準に縮小していた。ただ、依然として14年のピーク時を7%下回る。

第3・四半期は広範な部門が持ち直した。鉱工業は14.8%、個人消費は7.6%、設備投資は11.0%、政府支出は3.5%それぞれ増加した。経済活動の3分の2以上を占めるサービス業は6.3%増だった。

農業は0.5%減と小幅に縮小した。

第3・四半期の持ち直しは、新型コロナによる打撃が他の主要な中南米諸国よりも小さかったことを示す。ただ、その要因の大部分は、年末に失効する政府による貧困層世帯への現金支給だ。

バンコ・ファトル(サンパウロ)の首席エコノミスト、ホセ・フランシスコ・ゴンカルベス氏は「個人消費を見ると、経済回復と緊急支援を切り離すことは不可能だ。支援策が第4・四半期に縮小したことを踏まえると、第4・四半期の統計に影響が表れるだろう」とし、「来年は支援策がなくなる。政府やエコノミスト、メディアはこれが経済成長に与える打撃を甘く見積もっている」と述べた。

一方、経済省は反対の見方を示した。声明で、最新の統計で見られた「力強い回復」は、経済が21年上半期に支援策なしに成長し続けられることを示すと指摘。「ここ数カ月の経済活動と雇用の再開が支援縮小を相殺する」と主張した。

第3・四半期GDPの前年同期比は3.9%減少。市場予想は3.5%減だった。

第1・四半期GDPは当初発表の2.5%減から1.5%減に改定された。第2・四半期GDPは当初の9.7%減から9.6%減に、19年GDPは当初発表の1.1%増から1.4%増に改定された。

20年1─9月のGDPは前年同期比5.0%減だった。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:米移民の「聖域」でなくなった教会、拘束恐

ワールド

トランプ氏、NATOにロシア産原油購入停止要求 対

ワールド

中国が首脳会談要請、貿易・麻薬巡る隔たりで米は未回

ワールド

アングル:インドでリアルマネーゲーム規制、ユーザー
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    村上春樹は「どの作品」から読むのが正解? 最初の1…
  • 10
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中