ニュース速報

ワールド

原油現物価格が堅調、中印の旺盛な需要で 先物の不調と対照的

2020年10月29日(木)14時08分

 10月29日、原油先物相場が過剰供給不安や新型コロナウイルス流行による需要の先行き不透明感に覆われる中、世界各地で生産される原油の現物価格は、中国とインドの旺盛な需要に押し上げられている。写真は北京のガソリンスタンドで2月撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)

[モスクワ/ロンドン 29日 ロイター] - 原油先物相場が過剰供給不安や新型コロナウイルス流行による需要の先行き不透明感に覆われる中、世界各地で生産される原油の現物価格は、中国とインドの旺盛な需要に押し上げられている。貿易業者の話で明らかになった。

現物市場で中国の国有および独立系の石油精製業者は最も積極的な買い付けを行っている。2021年序盤の輸入枠を確保し、今年の年初からたびたび問題となっていた港の混雑が緩和したためだ。

これを受けて、ここ2週間でロシアのウラン原油やノルウェーの「ヨハン・スベルドラップ」、カスピ海の「アゼリBTC」、「CPCブレンド」などの現物でプレミアム(上乗せ幅)が拡大した。

国際的な貿易会社の関係筋は「原油供給業者にとって中国が再び期待の星になっている。コロナ危機の渦中にある欧州とは異なり、経済の復興が最も早かった」と述べた。

2人の貿易業者によると、ロシア産ウラルの北海ブレント原油現物価格に対する上乗せ幅は3カ月ぶりの水準に拡大。中国が買い付けた分の出荷は近く増加する可能性がある。

別の貿易筋は「中国は地中海原油市場でほぼ不在となっていたが、今は復帰して、問い合わせを行っている。11月末以降の積み出し分について買い付けを検討しているのは明らかだ」と述べた。

インドもまた買い付けへの意欲を強めている。インドの製油所の原油処理量は9月に6カ月ぶりの高水準に達し、この結果、ナイジェリア産のライト・スイート原油は北海ブレント現物に対し、マイナス50セントの割引(ディスカウント)からプレミアムに転じた。

別の貿易業者によると、中国の買い付けによってアンゴラ産原油「ダリア」は先月上旬にブレント現物と等価だったが、今では75セントの上乗せがあるという。

ただ、新型コロナウイルスの世界的流行下では現物価格の上昇は短期に終わり、先物相場には波及しないかもしれない。28日はオマーン原油とドバイ原油の指標価格が下落しており、需要が後退している可能性を示した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7重要鉱物会合、豪印も参加と米財務長官 12日ワ

ビジネス

米政権が刑事訴追警告とパウエル氏、利下げ圧力強化の

ワールド

米、重要鉱物の中国依存巡り迅速な対策要請へ G7な

ワールド

イラン抗議デモで死者500人超、トランプ氏「強力な
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 10
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中