ニュース速報

ワールド

IMF、今年のアジア成長率予想引き下げ コロナ禍の影響懸念

2020年10月21日(水)22時32分

国際通貨基金(IMF)は21日公表したアジア太平洋地域に関する報告書で、今年のアジアの成長率予想を下方修正した。ワシントンのIMF本部で2016年10月撮影(2020年 ロイター/YURI GRIPAS)

[東京 21日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は21日公表したアジア太平洋地域に関する報告書で、今年のアジアの成長率予想を下方修正した。新型コロナウイルスのパンデミックが引き続き深刻な影響を及ぼしているとして、インドなどの予想を引き下げた。

来年の予想は引き上げたものの、観光を主力産業とする国は特に深刻な打撃を受けているとして、回復は鈍く、国によって差があるとした。

報告書は「感染への懸念やソーシャルディンスタンス(社会的距離)措置で消費者信頼感が低下しており、ワクチンが開発されるまで経済活動は能力を下回り続けるとみられる」と指摘。

「中国の回復が地域の貿易を拡大させる可能性があるが、世界経済の弱い成長、国境の閉鎖、貿易、技術、安全保障を巡る緊張で、貿易主導のアジアの回復見通しは悪化した」としている。

IMFは、今年のアジアの成長率予想をマイナス2.2%と、6月時点の予想から0.6%ポイント下方修正した。インド、フィリピン、マレーシアなどの経済が冷え込んでいることが理由。

IMFはインドについて今年は10.3%のマイナス成長を予想。中国は1.9%のプラス成長を見込む。

2021年は、中国、米国、ユーロ圏の回復加速を予想し、アジアは6.9%の成長を達成するとみている。

ただし、新型コロナの感染第2波や、米国の緊張の高まり、金融・財政が引き締められる可能性など多くのリスクが存在すると警告。

「パンデミックの収束はほど遠いとみられ、政策支援は継続、場合によっては拡充すべきだ。政策立案者は、労働者が働き続け、支払い能力のある企業が事業を継続できるよう、より一層努力し、存続能力のない企業は退場させる必要がある」とした。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 3
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 4
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 5
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 8
    【クイズ】未踏峰(誰も登ったことがない山)の中で…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中