ニュース速報

ワールド

米政権と民主党、コロナ追加対策で合意に近づく 大統領が支持表明

2020年10月21日(水)12時01分

 トランプ米大統領は20日、米政権と民主党指導部が協議している追加の新型コロナウイルス経済対策を巡り、民主党が求めている2兆2000億ドル規模以上の法案を受け入れるとし、大規模かつ包括的な追加経済対策を支持する考えを示した。写真はワシントンの議会議事堂、資料写真(2020年 ロイター/Ken Cedeno)

[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、米政権と民主党指導部が協議している追加の新型コロナウイルス経済対策を巡り、民主党が求めている2兆2000億ドル規模以上の法案を受け入れるとし、共和党の上院議員が反対する中、大規模かつ包括的な追加経済対策を支持する考えを示した。

民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官はこの日、追加の新型コロナ経済対策を巡り電話で協議した。ペロシ氏の側近は、協議は生産的で「双方が合意に歩み寄っている」と説明。協議は21日も継続されるとした。

トランプ氏は、FOXニュースとのインタビューで「民主党よりも大きな対策の実施を望む」と発言。ムニューシン長官とペロシ議長が超党派の合意に達すれば、「いまは全ての共和党員が私に同意しているわけではないが、そうなるだろう」と述べ、共和党のマコネル上院院内総務からの支持が得られとの見方を示した。

また、主に民主党の支持を得た法案を喜んで受け入れると述べた。

大統領選が行われる11月3日より前に追加経済対策法案が議会を通過するためには20日までに超党派で合意する必要がある。ホワイトハウスが1兆8000億ドル規模の法案を提案している一方、民主党は2兆2000億ドル規模を求めている。

ペロシ氏はムニューシン氏との協議後、記者団に週内合意の見通しを問われると「そう望んでいる」と答えたが、協議内容には触れなかった。

だが、ペロシ氏はその後に民主党メンバーにあてた書簡で、週内の合意には言及せず、「大統領選前に合意できることを引き続き望む」と記した。

これに先立ち、ペロシ氏はブルームバーグテレビに対し、合意に楽観的な見方を示していた。その上で、州と地方自治体への支援と、共和党が提案している新型コロナ関連訴訟から企業を守る免責条項が争点として残っていると説明。政権側が文言の修正に応じれば、民主党は免責条項に合意する可能性があるとした。

一方、上院共和党は2兆ドル近い追加経済対策に繰り返し反対を表明。

共和党のマコネル上院院内総務は記者団に対し、ペロシ氏とムニューシン氏が合意し、下院がこの法案を可決する場合、上院もこれを審議すると述べたが、日程は示さなかった。

ある共和党上院議員の側近はロイターに対し、マコネル氏が20日の共和党メンバーとの昼食会で、大統領選前の法案審議を望まない考えを示したと明らかにした。

11月の議会選で保守州での再選を目指す一部の共和党上院議員にとっては、採決が実施されれば政治的に難しい決断を迫られる可能性がある。

同党の複数の上院議員は1兆8000億ドルかそれ以上の規模の法案に慎重、曖昧もしくは否定的な立場だ。同党重鎮のミット・ロムニー議員は記者団に「その規模(の法案)が上院を通過する可能性は非常に低いと思う。私はそのような規模は支持しない」と表明。「支援が本当に必要な人々に照準を徹底的に絞った対策については成立を望んでいる。できる限り速やかな成立が望ましい」と述べた。

上院は、失業保険給付金や学校への支援を含む5000億ドル強の共和党案について、21日の採決を予定している。

*内容を追しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アリババや百度やBYDは中国軍関連企業、米国防総省

ビジネス

中国、米大豆を少なくとも10カーゴ購入 首脳会談後

ワールド

マクロン仏大統領が来週訪中へ、習主席と会談

ビジネス

米ホワイトハウス付近で銃撃、州兵2人重体 容疑者は
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 8
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中