ニュース速報

ワールド

民主主義への不満、世界的にミレニアル世代が最大=研究

2020年10月20日(火)12時15分

 英ケンブリッジ大学が発表した研究によると、民主主義に対する若年層の満足度が過去100年で最低で、失望感は最大に達していることが分かった。写真は米コロラド州でのデモの様子。8月撮影(2020年 ロイター/Kevin Mohatt)

[ロンドン 20日 ロイター] - 英ケンブリッジ大学が発表した研究によると、民主主義に対する若年層の満足度が過去100年で最低で、失望感は最大に達していることが分かった。特に、欧州、北米、アフリカ、オーストラリアでその傾向が顕著だった。

さらに、1981─1996年に生まれたミレニアル世代は、1965─81年生まれのX世代や、44─64年生まれのベビーブーム世代、18─43年生まれの戦争世代に比べて失望感が強いことも分かった。

研究報告書は「世界的に、若年層は上の世代に比べて民主主義の業績に対する不満が強いほか、上の世代が同年齢だった時期よりも不満が強い」と指摘。

特に米国、ブラジル、メキシコ、南ア、フランス、オーストラリア、英国で若者の不満が強いという。

一方、ドイツ、韓国、多くの中東欧旧共産圏諸国では満足度が高まっていた。

報告書は、民主主義に対する若者の失望の主な要因は富と所得の格差にあると指摘。米国ではミレニアル世代が全人口の4分の1前後を占めているにもかかわらず、富の3%を保有するにとどまっているとの統計を引用した。ベビーブーム世代がこの年齢だった時期に保有していた資産は全体の21%だった。

また研究では、ポピュリストが既成政党の政治に挑戦することで触発された穏健派の政党や指導者が問題の改善を図り、結果的に民主主義への参加を後押しする可能性があることも示された。

この研究は大学内の研究所が、160カ国・480万人から、1970─2020年に収集した回答を分析したもの。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中