ニュース速報

ワールド

バイデン氏、大統領選前の最高裁判事人事に反対

2020年09月21日(月)13時09分

 米最高裁判所のギンズバーグ判事の死去を受け、トランプ大統領が早期の後任指名を表明したことについて、民主党の大統領候補であるバイデン前副大統領は20日、「政治的な実力行使」と非難した。フィラデルフィアで撮影(2020年 ロイター/Mark Makela)

[フィラデルフィア/ワシントン 20日 ロイター] - 米最高裁判所のリベラル派女性判事、ルース・ギンズバーグ氏の死去を受け、トランプ大統領が早期に後任を指名すると表明したことについて、民主党の大統領候補であるバイデン前副大統領は20日、「政治的な実力行使」と非難し、上院共和党は大統領選が迫る中で承認手続きを行うべきではないと訴えた。

トランプ氏は19日、ギンズバーグ判事の後任を20日からの週に指名すると表明し、女性を指名する考えを示した。[nL3N2GH01F]

トランプ氏が保守派を指名し、上院で承認されれば、最高裁判事の構成は保守派6人に対しリベラル派3人と、保守化が固まり、米国の法律や社会生活に数十年にわたり影響を及ぼす可能性がある。

バイデン氏は20日、フィラデルフィアで「有権者の声に耳を傾けるべきだ。憲法では、後任を指名する権利が誰にあるか決めるのは有権者だと想定している」と述べ、「上院で後任人事を急いで通過させるのは政治的な実力行使だ」と非難した。

その上で、11月3日の選挙で自身が勝利した場合、後任を指名する権利を得るべきだと述べた。指名する可能性のある候補者名を具体的に公表する案には否定的な立場を示したが、機会があればアフリカ系女性を指名するとのこれまでの考えをあらためて表明した。

共和党は定数100の上院で53議席を握っているが、このうち2人がこれまでに早期の承認手続きに公に反対を表明している。リサ・マカウスキ議員は20日、早期の空席補充を目指すトランプ氏の方針を支持しない立場を示した。19日にはスーザン・コリンズ議員も、大統領選の勝者が候補を指名すべきだと表明した。コリンズ氏は再選を目指す11月の上院選で苦戦を強いられている。

民主党のシューマー上院院内総務とオカシオコルテス下院議員は共同記者会見で、保守派判事が指名されればヘルスケアや女性・性的少数派(LGBTQ)の権利がリスクにさらされると警鐘を鳴らした。

大統領選と連邦議会選は11月3日に行われるが、新議会の招集は来年1月3日、大統領の就任は1月20日となるため、トランプ氏が後任を指名し、上院で承認採決を行う時間的余裕はある。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中