ニュース速報

ワールド

英、コロナ第2波不可避 新たな措置実施も=ジョンソン首相

2020年09月19日(土)03時05分

 9月18日、英国のハンコック保健相は、新型コロナウイルスの感染が全国で拡大していると指摘、入院患者が8日ごとに倍増していると述べた。写真はロンドンで17日撮影(2020年 ロイター/Henry Nicholls)

[ロンドン 18日 ロイター] - ジョンソン英首相は18日、国内での新型コロナウイルスの感染第2波発生は「避けられない」とした上で、全国的なロックダウン(都市封鎖)の再導入を望んでいないが、新たな制限措置が必要かもしれないと述べた。

英政府は、北部や首都ロンドンで新規感染者や入院患者が増加し、感染率が上昇していることを受け、全国的な封鎖再導入を検討している。

ジョンソン首相は国内メディアに対し、「われわれは目下、感染第2波に直面している。国内での感染第2波は絶対に避けられない」と指摘。ロックダウンについては「全く望んでいない」としたが、全国的な制限措置の実施は排除しなかった。

ジョンズ・ホプキンス医科大学のデータによると、英国の新型コロナ感染症の死者は、米国、ブラジル、インド、メキシコについで世界で5番目に多い。

ハンコック保健相は、全土で来月ロックダウンを再導入する可能性はあるかとのスカイ・ニュースの質問に、「今、その質問に答えることはできない」と発言。ロックダウンは最後の手段だとした上で「人々の安全を守るための対策を講じる」と述べた。

また、入院患者は8日ごとに倍増しているが、英国立統計局(ONS)の予測が鍵になると指摘。

それによると、9月10日の週の新規感染者は約6000人で、前週の3200人からほぼ倍増。特に北西部とロンドンで急増しているという。

また、感染者1人が新たに何人に感染させるかを示す「実効再生産数」も1.1─1.4と、前週の1.0─1.2から上昇した。

英国では9月に入り、新型コロナの感染が再拡大。過去1週間は1日当たり3000-4000人が検査で陽性反応を示している。フランスでは1日で1万人以上の新規感染者が出ている。

英国ではすでに1000万人以上が、自治体ごとに外出制限を強化する「局地的ロックダウン」の影響を受けている。

ロンドン・イブニング・スタンダード紙によると、ロンドンで新型コロナの感染が急増しているとのデータが18日に公表される見通しで、今後2週間にわたってロンドンに制限措置が導入される可能性があるという。

当局によると、この日の新規感染者は前日から約1000人増の4322人で、5月8日以来の高水準になった。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米特使、ウ・欧州高官と会談 紛争終結へ次のステップ

ビジネス

米新規失業保険申請件数、1.6万件減の19.9万件

ワールド

中国、来年は積極的なマクロ政策推進 習氏表明 25

ワールド

ロ、大統領公邸「攻撃」の映像公開 ウクライナのねつ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 5
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中