ニュース速報

ワールド

訂正-(9日配信の記事)モーリシャスが環境緊急事態宣言、日本船の燃料流出で生態系に懸念 

2020年08月11日(火)10時09分

 8月9日、インド洋のモーリシャス島沖で7月下旬に座礁した日本の貨物船について、燃料の流出が周辺の生態系に壊滅的な打撃をもたらす恐れがあるとの懸念が広がっている。写真は7日に公開された衛星画像。ばら積み船わかしおから燃料が流出しているのがわかる(2020年 Maxar Technologies)

[ポートルイス/東京 9日 ロイター] - インド洋のモーリシャス島沖で7月下旬に座礁した日本の貨物船について、燃料の流出が周辺の生態系に壊滅的な打撃をもたらす恐れがあるとの懸念が広がっている。

座礁したのは岡山県の長鋪(ながしき)汽船の関連会社が保有・管理し、商船三井<9104.T>が運航する大型ばら積み船「わかしお」。7月25日に座礁し、船体の亀裂から燃料が流出した。2社は9日に会見し、およそ1000トンが流出した可能性があることを明らかにした。

モーリシャスのジャグナット首相(訂正)は8月6日に環境緊急事態宣言を出し、国際支援を要請した。「わかしおの沈没はモーリシャスの危機だ」と語った。

国際環境団体グリーンピースは、モーリシャスの生態系にとって、史上最悪の危機の1つになる可能性があると指摘。「ブルーベイ、ポワント・デスニー、マエブールの手つかずのラグーン周辺に生息する何千もの種が、汚染の危機にさらされている。モーリシャスの経済、食糧、人々の健康に悲惨な結果をもたらす恐れがある」とした。

7日に公表された衛星画像からは、座礁する船周辺の青い海に汚染が広がっている様子がわかる。燃料の一部は陸地にまで到達している。

隣に仏領レユニオン島を有するフランスのマクロン大統領は、専門家チームと機材を派遣すると発表。「生物多様性が危機にさらされている。緊急の行動が必要だ」と語った。

商船三井の小野晃彦副社長は会見で、「風光明媚なコーラルリーフのエリアでもあり、野鳥の保護区も近くにある。深刻にとらえている」と語った。燃料の流出を最小限に抑えるとともに、油の除去に取り組む考えを示した。

自然豊かなビーチで有名なモーリシャスは昨年、約16億ドルの観光収入があった。

*9日配信の記事で、第3段落の「大統領」を「首相」に訂正しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

26年サッカーW杯、低調な米国観光業に追い風 宿泊

ワールド

米、ウクライナに領土割譲含む紛争終結案受け入れ要求

ワールド

ポーランド、最後のロシア総領事館閉鎖へ 鉄道爆破関

ビジネス

金融規制緩和、FRBバランスシート縮小につながる可
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 5
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 8
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 9
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 10
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中