ニュース速報

ワールド

米、中国新疆の準軍事組織に制裁 ウイグル族弾圧に関与

2020年08月01日(土)06時30分

[ワシントン 31日 ロイター] - 米政府は31日、中国新疆ウイグル自治区でウイグル族への弾圧や人権侵害に関与した疑いがあるとして、同自治区で開墾となどに従事している準軍事組織、新疆生産建設兵団(XPCC)に対する制裁措置を導入した。

財務省の声明によると、XPCCの幹部のSun Jinlong氏とPeng Jiarui氏も制裁対象に指定。米国内の資産が凍結されるほか、米国人がXPCCと取引を行うことが禁止される。また、幹部2人の米国への渡航も禁止される。

ポンペオ国務長官は声明で「中国共産党による新疆自治区におけるウイグル族やその他のイスラム教少数派に対する人権侵害は、21世紀の汚点だ」と非難した。

米政府高官は匿名を条件に、XPCCは「秘密の準軍事組織で、中国共産党の直接支配の下でさまざまな機能を担っている」とし、「中国共産党による監視、抑留、教化に直接関与しており、新疆自治区におけるウイグル族やその他のイスラム教少数派がその対象となっていることは周知の事実だ」と述べた。

米政府は9日、新疆ウイグル自治区での人権侵害に関与したとして、同自治区トップの陳全国・共産党委員会書記ら当局者4人に制裁を科すと発表している。

新アメリカ安全保障センター(CNAS)のピーター・ハレル氏は、XPCCに対する制裁措置で中国に対する圧力が「格段に高まる」と指摘。「これまでの措置は象徴的なものにすぎなかったが、トランプ政権はようやく意義のある制裁措置を打ち出した」と述べた。

XPCCは1954年設立。当初は復員軍人を中心に構成されていたが、その後は一般市民も参加し、現在はこの地域の人口の約12%に相当する311万人が参加。この大半が漢民族となっている。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中