ニュース速報

ワールド

非効率な石炭火力発電所、2030年度までに段階的に休廃止へ=経産省筋

2020年07月02日(木)13時18分

 6月29日、経済産業省は、二酸化炭素(CO2)を多く排出する非効率な石炭火力発電所を、2030年度までに段階的に休廃止する方針だ。写真は都内2009年7月代表撮影(2020年 ロイター)

[東京 2日 ロイター] - 経済産業省は、二酸化炭素(CO2)を多く排出する非効率な石炭火力発電所を、2030年度までに段階的に休廃止する方針だ。現在140基ある石炭火力発電所のうち非効率な発電所は114基あり、稼働率の引き下げ、さらには休廃止する方向で進めていく。

経産省関係者は「エネルギー基本計画には、非効率な石炭火力発電所はフェードアウトすると明記している。その方向性でやっていく」と述べた。稼働率引き下げ、休止、廃止を段階的に進めていくことになる。報道によると、114基中、100基程度が休廃止の対象になるとしている。

日本の18年度の総発電量に占める石炭火力の割合は31%。政府は30年度に26%とする計画で、非効率な石炭火力については「フェードアウト(段階的な縮小)を促す仕組みを講じる」と明記していた。

1日に開かれた総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で経産省幹部は「建設中も含めると、相当程度、新設が進んでいく。2030年の26%の実現に向けて、しっかりと取り組みを進めるのが大事だろう」と述べていた。

経産省関係者によると、新しい石炭火力発電所(26基)による発電量は石炭火力発電の半分弱を占めており、旧型の石炭火力を休廃止し、今後新設する新型に置き換えることで、CO2の排出は少なく、効率は高まっていくという。

石炭火力発電については、昨年12月に開かれた国連の気候変動枠組み条約締約国会合(COP25)でも強い批判を浴びていた。2030年度に向けた方針を明確化することで、「脱炭素」に向けた取り組み姿勢を示すことになる。

(清水律子)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独経済団体、半数が26年の人員削減を予想 経済危機

ワールド

中国軍、台湾周辺で実弾射撃伴う演習開始 港湾など封

ビジネス

韓国クーパン、顧客情報大量流出で11.8億ドルの補

ワールド

尹前大統領の妻、金品見返りに国政介入 韓国特別検が
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中