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情報BOX:主要国・地域の主な新型コロナ対策

2020年03月16日(月)13時27分

 3月16日、世界の政策当局者や政府首脳は新型コロナウイルスに伴う経済低迷に対処するため、幅広い対策を打ち出している。写真はニューヨークの地下鉄で15日撮影(2020年 ロイター/Jeenah Moon)

[15日 ロイター] - 世界の政策当局者や政府首脳は新型コロナウイルスに伴う経済低迷に対処するため、幅広い対策を打ち出している。

主要国・地域の主な措置は以下の通り。

<米国>

米連邦準備理事会(FRB)は15日、政策金利をゼロ付近に引き下げ、債券買い入れを再開するとしたほか、危機時の対応手段の活用に踏み切った。新型コロナウイルスの感染拡大封じ込めに向けた取り組みにより、急速に悪化する世界経済を支援するため、世界の主要中央銀行と協調した。

またFRBは銀行に対し、金融危機以降に資本バッファーとして積み上げてきた数兆ドル規模のエクイティー・流動資産を活用して、新型ウイルスの影響で打撃を受けている企業や家計に融資するよう促した。

さらに、FRBとカナダ銀行、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)、日銀、スイス国民銀行は、米ドル・スワップ協定に適用される金利を25bp引き下げ、新しい金利を米ドル・オーバーナイト・インデックス・スワップ・レートに25bp上乗せしたものとすることに合意した。

トランプ米大統領は11日、国民向けテレビ演説で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた景気対策として、500億ドル(約5兆2500億円)の個人・中小企業向け低利融資や、納税申告期限を3カ月延期する方針を発表した。

大統領は政府の中小企業局(SBA)に対し、影響を受けた企業に資本や流動性を提供すべく利用可能な権限を行使するよう要請したことも明らかにした。

トランプ大統領は同日、総額83億ドルの新型コロナウイルス対策予算案に署名した。

<ECB>

欧州中央銀行(ECB)は12日の定例理事会で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による域内経済への悪影響に対応するため、量的緩和政策を年末まで1200億ユーロ拡大すると決定した。ただ、政策金利は据え置かれた。

<中国>

中国政府はウイルス流行との戦いで1105億元(159億ドル)を割り当てたと表明した。

中国当局は影響を受けている地域に対する資金調達支援を強化。中国人民銀行(中央銀行)は指標貸出金利を含むいくつかの主要金利を引き下げたほか、企業への低利融資や支払い軽減措置を各行に要求した。

中国生態環境省は10日、新型コロナウイルス流行の問題に対応し、環境基準を満たしていない企業が是正策を講じる期限を延長する方針を明らかにした。

<イタリア>

コンテ首相は11日、1週間前に75億ユーロとしていた新型コロナ対策予算を250億ユーロ(283億ドル)に拡充する方針を表明。これに伴い、2020年の財政赤字は欧州連合(EU)が定めた上限(GDP比3%)を超える公算となった。

住宅ローンの返済は全国で猶予され、イタリア銀行協会(ABI)は、新型ウイルスの影響に苦しむ小規模企業や家計向けに債務返済の一時停止を提案する方針を示した。

<日本>

日本政府は10日の新型コロナウイルス対策本部会合で、緊急対策第2弾をまとめた。財政措置は4308億円。予備費2715億円を活用する。金融支援の総額は1.6兆円となる。

日銀の黒田東彦総裁は4日、参議院予算委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化することで実体経済への影響が大きくなる可能性を十分認識しておく必要があると指摘。経済や金融市場の動向を注視し、「必要に応じて適切な対応を取っていきたい」と述べた。

<EU>

欧州連合(EU)はこれまでのところ、抜本的な新型コロナ対策で合意するに至っていない。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は12日、ツイッターで「EU経済にてこ入れするための包括的対策」を含めた対応を準備していると明らかにした。

<ドイツ>

独連立政権は2024年までに公共投資を124億ユーロ増やし、企業が労働者支援のための補助金を申請しやすくすることで合意した。

メルケル首相が率いる保守政権は、新型コロナ対策として景気刺激策をすぐに打ち出す必要があるかどうかについて、意見が分かれている。

<英国>

スナク英財務相は11日、新型コロナウイルス感染拡大による景気後退リスク阻止に向け、300億ポンド(390億ドル)規模の景気刺激策を盛り込んだ新年度予算を発表した。刺激策の規模は1992年以降で最大。

イングランド銀行(英中央銀行)は同日これに先駆けて、政策金利を0.75%から0.25%に引き下げたと発表した。新型コロナウイルス感染拡大により景気が脅かされていることに対処する。利下げは2016年8月以来。

<フランス>

仏政府は企業が一部の社会的費用や税金の支払いを延期することを容認。また、企業が公共セクターとの契約を履行できない場合に不可抗力を宣言することを容認した。

<インド>

インド準備銀行(中央銀行)は第2弾の流動性供給オペ(LTRO)を通じ、金融システムに新たな流動性を注入する方針。政府筋が明らかにした。

インド政府は、国営銀行に対し、3月末までに5000億─6000億ルピーの新規融資承認を要請しているもよう。

<カナダ>

カナダのトルドー首相は11日、総額10億カナダドル(7億2800万米ドル)の新型コロナウイルスの感染拡大対応策を発表した。カナダ政府としては初の対策となり、トルドー首相は必要に応じて一段の措置を講じる姿勢を示した。

カナダ銀行(中央銀行)は4日、政策金利を0.5%ポイント引き下げ1.25%にすることを決定した。利下げは約5年ぶりで、0.5%の大幅利下げは金融危機に見舞われた2009年3月以来。

<韓国>

韓国政府は4日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、景気下支えのための11兆7000億ウォン(98億ドル)の補正予算案を発表した。国会の承認後、保健制度や育児および産業支援などに資金が振り向けられる見通し。

韓国の金融監督当局は13日、ソウル株式市場のメーンボード(KOSPI)およびコスダック<.KQ11>上場銘柄について、16日から6カ月間、空売りを禁止すると発表した。新型コロナウイルスを巡る不安を受けた投機的な取引を封じることが狙い。

ロイター
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