ニュース速報

ワールド

イラン、新型ウイルス死者16人 政府が感染過小評価との懸念も

2020年02月26日(水)01時06分

イランで25日、新型コロナウイルス感染による死者が増加し、議員や政府当局者からも陽性反応が確認される中、政府当局が感染の規模を過小評価している恐れがあるとの懸念が広がっている。テヘランで撮影(2020年 ロイター/WANA NEWS AGENCY)

[ドバイ 25日 ロイター] - イランで25日、新型コロナウイルス感染による死者が増加し、議員や政府当局者からも陽性反応が確認される中、政府当局が感染の規模を過小評価している恐れがあるとの懸念が広がっている。

イラン保健当局は、新たに2人が死亡し、国内の死者が計15人になったと発表。国営メディアはその後、新たに1人が死亡したと報じており、死者は16人に達したとみられる。中国国外では最悪の死者数となる。

感染者は35人増加し、計95人になった。前日には感染疑い例が900人前後に達しているとしていた。

マフムード・サデギ議員はこの日、ツイッターへの投稿で「新型ウイルスの陽性反応が出た。生き続けることに大きな望みは抱いていない」と明らかにした。

さらに国営メディアによると、新型ウイルス感染防止に取り組んでいたハリルチ保健次官が動画を通じ、ウイルスに感染したことを明らかにした。

イランでの新型ウイルス感染源とみられる中部コムの議員は前日、同市だけでもすでに50人が死亡したとし、政府が発表する感染者・死者の統計に疑問を投じた。メヘル通信によると、コムでは320人が入院しているという。

ロウハニ大統領はテレビ演説で新型ウイルスを「招かれざる不吉な客」とした上で「われわれはこの状況を切り抜ける」と鼓舞した。

イランでの新型ウイルス感染拡大が他の中東諸国に飛び火し、クウェート、バーレーン、オマーン、イラク、アフガニスタンでも初の感染が確認される中、近隣諸国はイランへの航空便運航や貿易を停止、国境を閉鎖するなどの措置を講じており、イランをさらに孤立化させる恐れがある。

世界保健機関(WHO)の派遣団は同日イラン入りする予定。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、年内に複数回利下げの公算=ベルギー中銀総裁

ワールド

NATO、ウクライナへの防空システム追加提供で合意

ビジネス

中国、国内ハイテク企業への海外投資を促進へ 外資撤

ビジネス

米債務急増への懸念、金とビットコインの価格押し上げ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中