ニュース速報

ワールド

韓国、大邱の教会信者全員に検査実施へ 大統領「状況は深刻」

2020年02月25日(火)19時08分

2月25日、韓国疾病予防管理局は、新型コロナウイルスの国内の感染者について、新たに144人が確認され、累計977人になったと発表した。写真は韓国の国会を消毒する係員。提供写真(2020年 ロイター/Yonhap)

[ソウル 25日 ロイター] - 韓国疾病予防管理局(KCDC)は25日、新型コロナウイルスの国内の感染者について、新たに144人が確認され、累計977人になったと発表した。当局は、集団感染が起きた南東部大邱市の新興宗教団体「新天地イエス教会」の20万人を超えるとみられる信者にウイルス検査を実施する方針。

新たな感染者の多くは大邱市で確認された。死者は10人となっている。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は感染が明らかになって以来初めて大邱を訪れ、状況は深刻で今後1週間がウイルス封じ込めの鍵になるとの認識を示した。

大邱市の教団の主宰者は25日、信者全員の名簿を当局に提出することに同意したと明らかにした。現地メディアは信者の数は21万5000人と伝えている。

韓国政府は信者の情報が得られ次第、可及的速やかに検査する方針。首相官邸は声明で「感染拡大を防ぎ、国民の不安を和らげるためには信者全員の検査が不可欠との見地から、教会に信者の名簿提出を重ねて要請していた」と説明した。

これまでに確認された感染者の約68%が教会での集団感染に関連しており、世論の批判の矛先は教団に向けられている。

教団は、政府に信者の個人情報が公にならないよう要請した。

保健福祉省の次官は会見で、症状が見られる教団の信者約9200人のうち1300人前後の検査を優先する方針を示し、26日までに終えると述べた。「大邱市の状況を4週間以内に安定化させる目標に向けて最大限の努力をする」と表明し、症状が見られる同市の市民は全員隔離して検査するとした。

米疾病対策センター(CDC)は24日、韓国で新型ウイルスの感染が拡大していることを受け、同国への不要不急の渡航をすべて見合わせるよう国民に呼びかけた。

エスパー米国防長官と韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相は24日、共同会見で、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から両国軍が指揮所演習の縮小を検討していると述べた。

*情報を更新して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:債券投資家が中期ゾーン主体にポジション修

ワールド

アングル:FRB次期議長、インフレと利下げ要求の板

ワールド

リトアニアが緊急事態宣言、ベラルーシの気球密輸が安

ワールド

タイとカンボジア、国境沿いで衝突拡大 停戦維持が不
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 10
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中