ニュース速報

ワールド

自民総裁選、石破氏が出馬表明 森友・加計意識し「正直・公正」前面

2018年08月10日(金)18時43分

 8月10日、自民党の石破茂・元幹事長(左)は記者会見し、9月の自民党総裁選挙への出馬を正式表明した。3選を目指す・安倍晋三首相(右)が国会議員の7割の支持を固めたとみられる中で、「正直」「公正」のスローガンを前面に地方票の獲得を目指す。写真は2015年7月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 10日 ロイター] - 自民党の石破茂・元幹事長は10日記者会見し、9月の自民党総裁選への出馬を正式表明した。3選を目指す安倍晋三首相が国会議員の7割の支持を固めたとみられる中で、安倍政権における森友学園・加計学園問題を念頭に「正直」「公正」のスローガンを前面に出し、地方票の獲得を目指す。

石破氏は、政治・行政の信頼回復100日プランを実施すると表明。森友・加計問題を巡る政権の対応などを念頭に「人間は無謬(むびゅう)でない、間違いは間違いとおわびする姿勢が必要。自分が国務大臣の際、官僚組織に転嫁しないことを心がけた」と強調した。森友学園問題で論点となっている安倍昭恵・首相夫人について「国民の税金でサポートしている以上、純然たる私人とは言えない」と指摘した。

今国会の予算委員会の大半が森友・加計問題の追及に費やされた経緯を踏まえ、国会改革が必要と強調。小泉進次郎・筆頭副幹事長ら自民党若手が提唱する国会改革に賛意を表明した。

また「野党がばらばらで無力であるときこそ、自民党はより厳しく己を律しないといけない」、「安倍総理がどれだけ国民から信頼されているか、常に真剣に配意する必要がある」と述べた。

総裁選では、憲法改正も争点になると指摘。「憲法改正で優先順位が高いのは、参議院の合区解消と基本的人権に配慮した緊急事態条項」とする一方、「9条については、国民の深い議論が必要」との見解を示した。

経済政策を巡っては、アベノミクスを「株価上昇や輸出企業の業績、雇用の改善を否定はしない」として評価しつつ、地域・世代間の格差是正など課題を先送りしないことが重要と強調。少子高齢化を背景に「財政、社会保障はこのままでは持続することができない」と指摘した。

同時に、意識する過去の首相として竹下登氏を挙げ「消費税が必要だと訴える姿勢に感動した」と述べ、また、石破氏支持の方針を示している参院を中心とした竹下派メンバーに謝意を示した。

自民党の杉田水脈・衆議院議員の発言を受けて性的少数者(LGBT )への同党の姿勢が焦点となっているが、「日本国民の8%といわれる方々の思いを傷つけて平然としていることはならない」と厳しく批判した。

*内容を追加して再送します。

(竹本能文)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米FTCがグーグルとアマゾン調査、検索広告慣行巡り

ビジネス

中国新築住宅価格、8月も下落続く 追加政策支援に期

ワールド

北朝鮮、核兵器と通常兵力を同時に推進 金総書記が党

ビジネス

中国8月指標、鉱工業生産・小売売上高が減速 予想も
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    【動画あり】火星に古代生命が存在していた!? NAS…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中