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8月生産は3.3%低下 台風響き2カ月ぶり低下 自動車・半導体製造装置下押し

2024年09月30日(月)11時16分

 経済産業省が9月30日発表した8月鉱工業生産指数速報は前月比3.3%低下となった。川崎市の京浜工業地帯で2012年6月撮影(2024年 ロイター/Toru Hanai)

Yoshifumi Takemoto Tetsushi Kajimoto

[東京 30日 ロイター] - 経済産業省が30日発表した8月鉱工業生産指数速報は前月比3.3%低下となり、2か月ぶりのマイナスとなった。ロイターの事前予測調査では同0.9%低下の予想だった。台風の影響、自動車や半導体製造装置の減産が下押しした。

エコノミストからは、7-9月期は鉱工業生産の減産を見込む声が聞かれる。10月以降先行きは半導体を中心に回復するとの見方が多いものの、世界経済減速も懸念され視界は不透明だ。生産減少は設備投資に冷や水を浴びせかねず、日銀の利上げにも逆風となりかねない。

<7-9月の前期比プラス確保は困難か>

生産予測指数は9月が前月比2.0%上昇、10月が同6.1%上昇となった。経済産業省は生産の基調判断を「一進一退」で据え置いた。

予測が実現すれば9月の生産指数は101.7となるが、経産省では「102.5以上でないと、7-9月の前四半期比プラス確保は難しい」と試算しており、事実上マイナスとなる公算が大きそうだ。

伊藤忠総研マクロ経済センター長・主席研究員の宮崎浩氏は「9月(予測) の2%上昇は下振れする可能性が大きく、鉱工業生産は7-9月期減産の可能性が高い。その後は、世界的なシリコンサイクルに乗って、生産はリバウンドを続けるだろう」との見通しを示した。その上で「過度に悲観的になる必要はないが、世界経済の減速や自動車EVの需要減は生産の減少となり、設備投資にリスク要因となる可能性はある」と指摘した。

8月の指数を押し下げた主な業種は自動車が前月比10.6%減、電気・情報通信機械が6.2%減、生産用機械が4.6%減など。主な品目は普通乗用車が16.2%減、半導体製造装置が18.7%減など。

台風により普通乗用車、アルミ建具、鋳物、セメントなど幅広い品目で影響が出た。半導体製造装置は台湾向け輸出が減少した。

9、10月は自動車の挽回生産が寄与する見込み。10月は半導体製造装置など生産用機械が前月比33.4%と大きく増える見通しとなっている。

*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。  

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html  

※過去の関連記事は[JPIP1=ECI][JPIP4=ECI]でご覧になれます。

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