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政策修正、慎重にみないと「取り返しつかない」=中村日銀委員

2023年11月30日(木)17時04分

 11月30日、日銀の中村豊明審議委員は、兵庫県金融経済懇談会後の記者会見で、「慎重に見ていかないと取り返しのつかないことになる」と述べ、早期の政策修正への慎重な姿勢を強調した。写真は1月、都内で撮影(2023年 ロイター/Issei Kato)

Takahiko Wada

[神戸市 30日 ロイター] - 日銀の中村豊明審議委員は30日、兵庫県金融経済懇談会後の記者会見で、「慎重に見ていかないと取り返しのつかないことになる」と述べ、早期の政策修正への慎重な姿勢を強調した。30年間、日本経済は賃金、物価、金利が変わらない状況が続いてきたと指摘。経済構造が変わり、企業の「稼ぐ力」の持続可能性が出てきたことを確認する必要があると語った。

中村委員は午前のあいさつで、日本経済は「賃金と物価の好循環を実現させる千載一遇のチャンスが到来している」とし、金融政策の修正には「今は慎重な対応が必要であり、もう少し時間がかかる」と述べた。

中村委員は会見で、政策修正のタイミングの「決め打ちはできない」と述べた。法人企業統計や毎月勤労統計、各種ヒアリング情報などで企業の変化を見極めたいと語った。

来年の春闘での賃上げを巡り、大手企業ではリーマンショックを経て事業構造の転換が早く進んだ結果、「賃上げに向けた意思表明もけっこう出てきている」とする一方で、中小企業では「無い袖は振れない」とする声もあり、「平均値は今の状況では分からない」と述べた。

(和田崇彦)

ロイター
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