ニュース速報

ビジネス

米大手8行、地方債の再販共謀疑惑巡り集団訴訟に直面

2023年09月22日(金)13時37分

米連邦地裁は21日、大手8行が地方自治体の変動金利要求払い債(VRDO)の再販売で共謀し、金利をつり上げたとする自治体側の訴えを集団訴訟として認定した。写真は2020年10月に米ニューヨーク市クイーンズ区ジャクソンハイツ地区のシティバンク支店でATMを利用する顧客(2023年 ロイター/Nick Zieminski)

Jonathan Stempel

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米連邦地裁は21日、大手8行が地方自治体の変動金利要求払い債(VRDO)の再販売で共謀し、金利をつり上げたとする自治体側の訴えを集団訴訟として認定した。

大手8行は自治体ごとに個別の訴訟として扱うよう求めていた。

ボルチモア、フィラデルフィア、サンディエゴなどの地方都市は、バンク・オブ・アメリカ、バークレイズ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー 、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ 、ウェルズ・ファーゴが2008─16年に1万2000以上のVRDOの再販売で共謀して金利をつり上げ、病院、電力・水道会社、学校、交通機関の資金調達で数十億ドルの損害が発生した可能性が高いと主張していた。

VRDOは長期債だが、通常は毎週金利が再設定される。銀行は投資家が解約したVRDOを再販売する必要があるが、地方自治体は銀行側が再販売で競合しないよう共謀し、VRDOの在庫情報や今後の金利変更に関する情報を共有して金利を人為的につり上げていたとしている。

銀行側は、VRDOにはさまざまな銘柄があり、金利のつり上げがあったかは個別の訴訟で判断する必要があると主張。集団訴訟はふさわしくないと訴えていた。

VRDOの市場規模はかつて4000億ドルを超えていたが、地方債規則制定委員会によると、22年末には720億ドルに縮小している。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏小売売上高、9月は前月比0.1%減 予想外

ビジネス

日産、通期純損益予想を再び見送り 4━9月期は22

ビジネス

ドイツ金融監督庁、JPモルガンに過去最大の罰金 5

ビジネス

英建設業PMI、10月は44.1 5年超ぶり低水準
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイロットが撮影した「幻想的な光景」がSNSで話題に
  • 4
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 5
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 6
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 7
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 8
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 9
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中