ニュース速報

ビジネス

英国債市場で大規模な価格見直し、追加発行は消化可能=管理庁長官

2022年10月04日(火)15時51分

10月4日 英国債管理庁(DMO)のスティーマン長官は3日、英国債市場は「大規模な価格見直し」が進行しているが、クワーテング財務相が打ち出した経済対策を賄う620億ポンド(690億ドル)の国債は十分に消化が可能との見解を示した。写真はイングランド銀行の建物。8月4日、ロンドンで撮影(2022年 ロイター/Maja Smiejkowska)

[ロンドン 4日 ロイター] - 英国債管理庁(DMO)のスティーマン長官は3日、英国債市場は「大規模な価格見直し」が進行しているが、クワーテング財務相が打ち出した経済対策を賄う620億ポンド(690億ドル)の国債は十分に消化が可能との見解を示した。

英10年物国債利回りは9月28日に2008年以来の高水準となる4.582%へ上昇した。10年債価格は9月に月間ベースで少なくとも1957年以来の大幅な下落を記録した。イングランド銀行(英中銀)などの利上げに加えて、クワーテング氏の減税計画への懸念が背景にある。

スティーマン氏はロイターのインタビューで「英国債や他の国債市場は大規模な価格見直しを余儀なくされている」と述べた。

「財政状況だけでなく金融政策がどう対応するかという点でも、多くの不確実性がある。これが主に市場のボラティリティーにつながっている」と分析した。

国債管理庁はクワーテング氏の発表を受けて、2022/23年度の資金調達目標を720億ポンド増やし2340億ポンドとした。このうち620億ポンドは国債発行で賄うとしている。

スティーマン氏は「おおむね順調に消化されると確信している」と述べた。

市場には常に潜在的な不確実性が存在し、現在の状況にも当てはまるとして「過度な懸念はない」と語った。

国債入札が未達になる可能性は排除できないとも述べた。未達は2009年以来起きていない。

トレードウェブのデータによると、2年債の売値と買値の差が拡大し3日は約10ベーシスポイント(bp)となったが、スティーマン氏は市場の変動が小さくなれば縮小するとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

広州自動車ショー、中国人客は日中関係悪化を重要視せ

ワールド

韓国、米国の半導体関税巡り台湾と協力の余地=通商交

ワールド

カナダとインド、貿易交渉再開で合意 外交対立で中断

ワールド

ハマス代表団、エジプト情報機関トップと会談 イスラ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 5
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    【銘柄】いま注目のフィンテック企業、ソーファイ・…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中