ニュース速報

ビジネス

全市場へのブロックチェーン導入には課題=英中銀副総裁

2022年09月29日(木)00時24分

イングランド銀行(英中央銀行、写真)のカンリフ副総裁は28日、暗号資産(仮想通貨)を支えるブロックチェーン技術を使い、全ての金融市場で即時の取引と決済を行うことは、課題を考えると望ましくないとの見解を示した。2020年3月撮影(2022年 ロイターS/Hannah McKay)

[ロンドン 28日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のカンリフ副総裁は28日、暗号資産(仮想通貨)を支えるブロックチェーン技術を使い、全ての金融市場で即時の取引と決済を行うことは、課題を考えると望ましくないとの見解を示した。

カンリフ氏は、取引と決済に対する新しい方法は、規制当局が既存のシステムに期待するのと同水準の弾力性を保証する必要があると指摘した。

即時決済は取引が成立した時点で現金と証券がそろっている必要があり、ブロックチェーンに基づく基盤と既存技術がどのように連携するか不透明だと述べた。

カンリフ氏は、金融業界団体の欧州金融市場協会(AFME)が開いた会合で「実行前にエラーを特定したり、修正したりする時間がない。要するに全ての市場で取引と決済が完全に瞬時に実行するのは望ましくない可能性がある」と語った。

株式や債券の取引は現在、取引の2営業日後に決済されている。リスクの高いエクスポージャーが生じ、その間に市場が大きく動く可能性があり、銀行は保証金や資本金でカバーする必要がある。

米国は2024年3月を期限に、決済を取引の1営業日後に短縮する予定。欧州にも同調するように圧力をかけている。

コストとリスクを削減するため、分散型台帳技術やブロックチェーンを使って取引と決済を瞬時にする実験計画は既に実施されている。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米IT大手、巨額の社債発行相次ぐ AI資金調達で債

ワールド

トランプ政権、25年に連邦職員31.7万人削減 従

ワールド

米、EUにデジタル規制見直し要求 鉄鋼関税引き下げ

ビジネス

情報BOX:大手銀、米12月利下げ巡り見解分かれる
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中