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NY外為市場=ドル上昇、FRB議長がタカ派発言 ユーロは軟調

2022年06月30日(木)06時08分

ニューヨーク外為市場ではユーロが下落した一方、ドルが上昇した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、利上げによる景気減速よりも持続的な高インフレの方がより大きなリスクとの見方を示したことが背景。(2022年 ロイター/Marcos Brindicci)

[ワシントン 29日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではユーロが下落した一方、ドルが上昇した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、利上げによる景気減速よりも持続的な高インフレの方がより大きなリスクとの見方を示したことが背景。

パウエル議長はポルトガルのシントラで開かれている欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムで、FRBがインフレ抑制のために景気を必要以上に減速させる「リスクはある」と認めながらも、「それがより大きなリスクという見方には同意しない。物価安定の回復に失敗することがより大きな間違いだ」と述べた。

ウェルズ・ファーゴ(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「パウエル議長は望ましくないインフレ期待の上昇に先手を打って対応する姿勢を示した」とし、この日の発言は「かなりタカ派的だった」と指摘。「市場では過去数カ月、FRBはインフレ期待が上昇すれば反応するだろうとの見方が出ていたが、何かに反応するというよりは、むしろ積極的に対応していくと予想される」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数は0.593%高の105.070。景気後退(リセッション)リスクの高まりを背景に世界的に株価が下落する中、安全資産としてのドルに買いが入った。ただ、ドル指数は2週間前に付けた約20年ぶりの高水準(105.79)は上回っていない。

円は対ドルで0.29%安の136.55円。ウェルズ・ファーゴのネルソン氏は「日銀が唯一引き締めを行っていない主要中央銀行であることを背景に、強い円売りバイアスが見られた」としている。

ユーロは対ドルで0.74%安の1.044ドル。ラガルドECB総裁はECBフォーラムで、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以前の超低インフレの時代が戻る可能性は低く、中央銀行は物価上昇が極めて高いと予想される状況に適応する必要があるとの考えを示した。

スイスフランは対ユーロで2015年以来の高値を更新。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.72%安の2万0107.70ドル。イーサは4.39%安の1109.25ドル。

ドル/円 NY終値 136.58/136.61

始値 136.49

高値 136.99

安値 136.35

ユーロ/ドル NY終値 1.0439/1.0443

始値 1.0520

高値 1.0534

安値 1.0436

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