ニュース速報

ビジネス

経済成長より物価対応優先、主要中銀総裁が表明 ECBフォーラム

2022年06月30日(木)02時27分

世界の主要中央銀行総裁は29日、高インフレの是正は痛みを伴い、成長率が押し下げられる可能性もあるが、急激な物価上昇の定着を防ぐために迅速に対応する必要があるとの考えを示した。(2022年 ロイター/European Central Bank/­Handout via REUTERS)

[シントラ(ポルトガル) 29日 ロイター] - 世界の主要中央銀行総裁は29日、高インフレの是正は痛みを伴い、成長率が押し下げられる可能性もあるが、急激な物価上昇の定着を防ぐために迅速に対応する必要があるとの考えを示した。

欧州中央銀行(ECB)がポルトガルのシントラで開いている年次フォーラムにはラガルドECB総裁のほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長やイングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁らが出席。

パウエル議長は、FRBの利上げが経済を過度に減速させるリスクはあるものの、消費者の物価上昇期待をあおる持続的な高インフレの方がより大きなリスクと指摘。「このプロセスは何らかの痛みを伴う可能性が高い。ただ、高インフレに対処できず、持続を許してしまうことが最悪の痛みになる」と述べた。

その上で、FRBがインフレ抑制のために景気を必要以上に減速させる「リスクはある」としながらも、「それがより大きなリスクという見方には同意しない。物価安定の回復に失敗することがより大きな間違いだ」と語った。

ラガルド総裁は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以前の超低インフレの時代が戻る可能性は低く、中央銀行は物価上昇が極めて高いと予想される状況に適応する必要があるとの考えを表明。インフレ率はECBが目標とする2%を当面は上回り続けると予想されることから、ECBは現時点で対応しなければならないと述べた。

ECBは7月に政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、9月により大幅な利上げを実施する可能性も示唆している。

イングランド銀行(英中央銀行)は今月、政策金利を0.25%ポイント引き上げ1.25%とし、物価高の悪影響を阻止するため「力強く行動」する姿勢を表明。ベイリー総裁はこの日のフォーラムで、「もっとやらなければならない状況もある」とし、25bpの追加利上げのみが「唯一の選択肢と考えるべきではない」との見方を示した。

国際決済銀行(BIS)のカルステンス総支配人は、問題の存在が認識されたことで最初の一歩が踏み出されたとし、リスクが高まる中、現在は政策を強化する時期にあると指摘。「高インフレの定着を未然に防ぐ必要がある」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ジョスパン元仏首相が死去、シラク政権下で社会改革を

ビジネス

ECB、インフレ定着リスクなら躊躇せず行動=スロバ

ワールド

中国との関係改善「反米意味せず」、台湾野党党首が主

ワールド

中東情勢関係閣僚会議をあす開催=高市首相
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 3
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記者に、イスラエル機がミサイル発射(レバノン)
  • 4
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 9
    「筋力の正体」は筋肉ではない...ストロングマンが語…
  • 10
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中