ニュース速報

ビジネス

ホンダ、40年に新車全てをEVとFCVに 日本勢初の脱HV表明

2021年04月23日(金)19時09分

 4月23日、ホンダは2040年に販売する新車を全て電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)にする目標を発表した。写真はホンダのロゴ。ニューヨークで2018年3月撮影(2021年 ロイター/Shannon Stapleton)

[東京 23日 ロイター] - ホンダは23日、2040年に販売する新車を全て電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)にする目標を発表した。三部敏宏社長は会見で、売上高の増減にかかわらず今後6年間で総額約5兆円の研究開発費を投じることも明らかにした。世界的な脱炭素社会への流れを踏まえ、日本勢として初めて「脱HV」に踏み切る目標を掲げた。50年には全製品・企業活動を通じたカーボンニュートラルを目指す。

日本では、マンション住まいが多く自宅周辺での充電インフラ環境が整いにくい事情などもあり、エコカーとして、ガソリンエンジンとモーターを併用して走るHVの需要が高い。しかし、今後は徐々にその販売は減らし、EVとFCVの販売比率を30年に2割、35年には8割にまで高め、40年には100%とする。24年には軽自動車のEVを投入する。

三部社長は「車の保有期間は約10年。50年のカーボンニュートラル実現のためには、40年には新車から出るCO2(二酸化炭素)をゼロにしなければならない」と説明、それができるのは今ある技術ではEVとFCVしかないとの認識を示した。バッテリーなど課題は当然あるが、「まだ20年ある。これからまた新しい技術もできるだろう」と話し、目標を目指す中で「いろんなシナリオが出てくる」と語った。

北米では、24年に米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発し、GMのEV向けバッテリー「アルティウム」を搭載した大型EVを2車種を発売する。ホンダが開発を主導した新EVプラットフォームを採用したモデルも20年代後半から順次、投入する。

中国については、19日に上海モーターショーで公表した通り、今後5年以内にホンダブランドの新型EVを10車種投入する。第一弾として、スポーツ多目的車(SUV)タイプのEVを22年春に発売する。

EVの高い商品競争力を維持するために研究開発を進めている次世代バッテリーの全固体電池については、20年代後半のモデルに採用できるよう今期に実証ラインでの生産技術の検証に着手するとした。

ホンダは16年、八郷隆弘前社長が30年をめどに新車販売の3分の2を電動車にする方針を表明。電動車の内訳は「FCVとEVで約15%、HVとプラグインハイブリッド車で50%以上」との表現にとどめていた。

*情報を追加し再構成しました。

(白木真紀 編集:橋本浩、田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中