ニュース速報

ビジネス

ファナックが営業減益予想を一転、2割増に上方修正 中国の回復牽引

2021年01月27日(水)18時02分

ファナックは27日、21年3月期通期の連結営業利益予想を前年比19.8%増の1058億円に上方修正したと発表した。写真は東京で開かれた世界ロボットサミットに掲示されたファナックのロゴ。2018年10月17日に撮影。(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 27日 ロイター] - ファナックは27日、21年3月期通期の連結営業利益予想を前年比19.8%増の1058億円に上方修正したと発表した。FAやロボット、ロボマシンの各分野でITや電気自動車(EV)関連などの旺盛な需要が見込まれるとしている。今年度2度目の上方修正で、従来の減益予想から一転、増益予想となった。4―12月期は中国が新型コロナウイルス禍からいち早く回復し、業績を牽引した。

IBESによるアナリスト22人のコンセンサス予想によると、21年3月期通期の連結営業利益予想の平均値は856億円。

山口賢治社長は27日の決算説明会で「第1四半期を底に回復してきている」と述べた。10―12月期の売上高は前期比19.5%増の1448億円で、地域別には中国が前期比37.6%増の510億円と全体を牽引。米州は同11.0%増の324億円、アジアは同27.1%増の186億円、国内は同7.2%増の196億円だった。

10―12月期の受注高は前期比34.8%増の1705億円。山口社長は「非常に現地の引き合いは強く、幅広い業種から引き合いがある」と説明した。ロボットの受注は四半期ベースで17年度4―6月期以来、過去最高を更新し661億円。中国ではIT関係のほか建機、自動車関係も好調だった。ロボット主体の米国はEVを含む自動車関係が好調で、物流関係など一般産業向けも増えているという。国内は「増えてきているが過去の良い状況ほどは増えていない」とした。

もっとも、山口社長は「第4四半期も続くかはよく見通せていない」と慎重な見方を示した。中国はこれから春節(旧正月)を迎えるため「それを見越した先々の納期の発注も入っている可能性がある」という。

世界的な脱炭素の動きを受けて、今後のEVの普及が見込まれるが、山口社長は自動車のEV化に伴って、生産現場で「ロボットを使う台数が増える可能性は十分にある」との見方を示した。車体関係では今のエンジン車とほぼ変わらない一方、バッテリーをロボットで組み立てるニーズなどが出てきているとし「バッテリー周りやインバーター、モーター周りでロボットをもっと使う可能性はある」とした。

20年4─12月期の営業利益は前年同期比4.9%減の652億円だった。コロナ禍で世界的に設備投資が抑制され、上期のスローダウンが重しとなったが、足元では回復してきている。四半期別では、10―12月期の売上高は前年同期比15.4%増の1448億円、営業利益が同68.2%増の329億円だった。

*内容を追加しました。

(平田紀之)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中